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  ◆ やぶ医師のひとりごと         第 104 号  ◆
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 H19年12月28日発行 購読者数 11660名
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ブログ: 「健康、病気なし、医者いらず」
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  <本日のテーマ> 心不全16(心不全の治療4)
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今日も「心不全の治療」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
 ○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
●心臓の役割
 ○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
 ○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
 ○疲れやすい、頻脈、動悸、息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
 ○呼吸困難、起座呼吸、咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
 ○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
 ○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
 ○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
 ○NYHA I~IV度
 I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
 1,心筋不全によるもの
 ○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
 ○貧血、慢性の肺疾患
 ○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
 2.機械的障害
 ○心臓弁膜症
 ○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
 ○心臓を包む膜の病気
  「収縮性心外膜炎」、「心タンポナーデ」
 ○高血圧
1)長期の徐脈(遅い脈)
 ○洞機能不全症候群、完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈(速い脈)
 ○心房細動、発作性上室性頻拍症など
●心不全の検査
 ○胸部レントゲン写真、心電図、血液検査
  心臓カテーテル検査、胸部CT、MRI等
●心不全の治療
 ○「体の中に貯まった水分を、体の外に出してあげる。」
  というのが、心不全の治療の基本。
 ○「急性心不全」と「慢性心不全」があって、
 
  それぞれに対して、治療内容が異なる。
 ○「心不全そのもの」の治療に加えて、
  「心不全の原因となる病気」の治療もある。
●急性心不全の治療
 ○メインになるのは利尿剤(おしっこを強制的に出す薬)
 ○利尿剤(利尿薬)には、点滴と飲み薬がある
 ○血管拡張薬(点滴と飲み薬、両方ある)
 ○血圧が下がれば、血圧を上げる薬
 ○不整脈が出れば、不整脈を止める薬、等
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
そして心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心臓弁膜症、
高血圧、徐脈や頻脈等の不整脈があるんですよ。
先週は、心不全には「急性心不全」と「慢性心不全」があって、
それぞれに対して、治療内容が異なる。
そいで、「急性心不全の治療」の基本は、
「体の中に貯まった水分を、体の外に出してあげること。」
そして、おしっこ(尿)を出す薬っていうのは、利尿剤(利尿薬)。
そして、それ以外には、血管を拡張させる薬を使ったり、
不整脈が出たら不整脈を止める薬、血圧が下がったら
血圧を上げる薬を使う、って話でした。
そいじゃあ今日は、心不全のなかでも、
「慢性心不全の治療」に関してやっていきましょうか。
「急性心不全」っていうのは、「心不全」の中でも、
「急に」心不全になるものの事を言います。
別名「うっ血性心不全」とも言います。
一方、急じゃなくて、ゆっくり心不全になる場合。
というか、それなりにバランスがとれて、状態が
安定している場合を「慢性心不全」って言います。
●慢性心不全の治療
心不全っていうのは、心臓のポンプ機能が落ちている
「状態(病態)」の「総称」です。
なにか原因になる病気があって、心臓の機能が落ちているんです。
 ○利尿剤(利尿薬)
心臓の機能が落ちたままであれば、治療せずにいたら、
体の中に水が貯まりやすい状態になりますから。
急性心不全の時と同じように、尿を体の外に出す「利尿剤」
という薬を飲んでもらう事が多いです。
これは、体の中に貯まった水を外に出すというよりは、
体の中に水が貯まらない様にする、という感じですね。
状態が安定している「慢性心不全」の場合は。
心不全で使う点滴の薬は、基本的には
「入院した時」にしか、使わないです。
「慢性心不全」っていうのは、入院の必要がないような、
安定した心不全の状態ですからね。
「慢性心不全の治療」は点滴の薬ではなく、
飲み薬の治療になります。
 ○血管拡張薬
これも急性心不全の治療でも出てきた薬です。
血管を拡張させて、心臓に戻ってくる血液を
血管の中にプールさせて、心臓の負担を取る治療です。
「慢性心不全」の場合は、安定した状態ですから。
これも、内服薬(飲み薬)になります。
 ○心臓の負担を取る治療
心臓っていうのは「血液」を送り出す「ポンプ」
の役割をしている、っていうのは何回も話していますけど。
だいたい、心臓っていうのは一日に10万回くらい、
拍動しているんです。
一日に10万回ですよー!
心臓が拍動してるのって。
すごい回数ですよね。
死ぬまでにはそれが80年位ですから。
10万x365x80=30億回
くらいですかね。
一生のうちに、心臓が拍動する回数は。
ものすごいたくさん、心臓は動いているんですよ。
そんなにたくさん心臓が動いていると、
一回にかかる負担はちょっとずつでも、
それが積み重なると、すごい負担になっちゃうんですよ。
それが、「心不全」って状態なんです。
だから、その「心臓の負担をとる」っていう治療が、
慢性心不全の治療の基本になります。
じゃあ、その「心臓の負担」って一体なんなんだ。
って話なんですけど。
まあ、そうあわてなさんな。
これから説明していきますから。
と思ったら、これから説明したら、また長くなるので(笑)
今日のところは、これで終わりにしましょうか。
今日は、いつもと趣向を変えて、「宿題」。
「心臓の負担」っていうのは、具体的に
どんなものが負担になるのか。
来週までに、いろいろ考えてね!
ヒントは、本文の前の復習に書いてありますからね。
特に「心不全の原因となる病気」のところを中心に読んで、
具体的にどんな病気なのか、って事を考えたら
わかると思いますよ。
以前から購読している人は、前のメルマガも読んで考えてね!
そんな訳で、今日も「慢性心不全の治療」についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●慢性心不全の治療
 ○利尿剤(飲み薬)
 ○血管拡張薬(飲み薬)
 ○心臓の負担を取る治療
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