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  ◆ やぶ医師のひとりごと         第 106 号  ◆
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 H20年1月11日発行 購読者数 11810名
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 ブログ: 「健康、病気なし、医者いらず」
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  <本日のテーマ> 心不全18(心不全の治療6)
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今日は「心不全の原因となる病気の治療」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
 ○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
●心臓の役割
 ○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
 ○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
 ○疲れやすい、頻脈、動悸、息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
 ○呼吸困難、起座呼吸、咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
 ○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
 ○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
 ○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
 ○NYHA I~IV度
 I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
 1,心筋不全によるもの
 ○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
 ○貧血、慢性の肺疾患
 ○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
 2.機械的障害
 ○心臓弁膜症
 ○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
 ○心臓を包む膜の病気
  「収縮性心外膜炎」、「心タンポナーデ」
 ○高血圧
1)長期の徐脈(遅い脈)
 ○洞機能不全症候群、完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈(速い脈)
 ○心房細動、発作性上室性頻拍症など
●心不全の検査
 ○胸部レントゲン写真、心電図、血液検査
  心臓カテーテル検査、胸部CT、MRI等
●心不全の治療
 ○「体の中に貯まった水分を、体の外に出してあげる。」
  というのが、心不全の治療の基本。
 ○「急性心不全」と「慢性心不全」があって、
 
  それぞれに対して、治療内容が異なる。
 ○「心不全そのもの」の治療に加えて、
  「心不全の原因となる病気」の治療もある。
●急性心不全の治療
 ○メインになるのは利尿剤(おしっこを強制的に出す薬)
 ○利尿剤(利尿薬)には、点滴と飲み薬がある
 ○血管拡張薬(点滴と飲み薬、両方ある)
 ○血圧が下がれば、血圧を上げる薬
 ○不整脈が出れば、不整脈を止める薬、等
●慢性心不全の治療
 ○利尿剤(飲み薬)
 ○血管拡張薬(飲み薬)
 ○心臓の負担をとる(興奮する方の神経を抑える薬)
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
そして心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心臓弁膜症、
高血圧、徐脈や頻脈等の不整脈があるんですよ。
そいで、「急性心不全の治療」の基本は、
「体の中に貯まった水分を、体の外に出してあげること。」
で、具体的には、利尿剤(利尿薬)、血管拡張薬なんかの薬。
慢性心不全というのは、バランスがとれている安定した心不全で、
治療は、心臓の負担を取るような飲み薬が中心、って話でした。
そいで、今日も心不全の治療の続きです。
「復習」にも書いてある事ですけど、
心不全の治療っていうのは「心不全そのもの」の治療に加えて、
「心不全の原因となる病気」の治療もあるんですよ。
心不全の原因となる病気っていうのは、先週も書いたし、
復習にも書いてありますけど。
●心不全の原因となる病気
 1,心筋不全によるもの
 ○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
 ○貧血、慢性の肺疾患
 ○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
 2.機械的障害
 ○心臓弁膜症
 ○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
 ○心臓を包む膜の病気
  「収縮性心外膜炎」、「心タンポナーデ」
 ○高血圧
1)長期の徐脈(遅い脈)
 ○洞機能不全症候群、完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈(速い脈)
 ○心房細動、発作性上室性頻拍症など
まあ、こんな感じですわ。
その病気を、おおざっぱに分類すると、
○心臓の筋肉そのものが悪くなる病気
○心臓の弁が悪くなる病気
○不整脈
○心臓以外の病気によって、心臓も悪くなる病気
○その他
というように分けられます。
●心不全の原因となる病気の治療
心臓の筋肉そのものが悪くなる病気の代表例は、
「心筋梗塞」です。
このメルマガでも、何回か出てきた病気だから、
知っている人も多いですよね、この病気。
冠動脈っていうのは、心臓の表面を走っていて、
心臓に酸素や栄養を与える血管なんですけど。
「心筋梗塞」っていう病気は、心臓の表面にある血管(冠動脈)。
が、詰まって心臓の筋肉(心筋)の一部が死ぬ病気なんですよ。
ちなみに、冠動脈が狭くなって詰まりかけている病気は、
「狭心症」って言います。
心臓の表面の血管(冠動脈)が詰まったら、「すぐに」
その先にある心筋全部が死ぬわけではないんですよ。
多くは、血管が詰まって6時間以内に壊死して、
24時間以内に、ほとんど全部壊死する、って言われています。
逆に言うと、6時間以内、24時間以内に、
血管が詰まっているのを治す事ができれば、
心臓の筋肉は完全に死なない。
心筋の一部を助ける事ができるんですよ。
だから、心筋梗塞になったら、24時間以内。
できれば、6時間以内に、心臓の血管を広げる治療をするんです。
こういうのを、「血管内手術」って言います。
手術なんですけど、血管を刺してやる治療なんですよ。
「医龍」に出てくるような、心臓を止めて、
胸を開けてやるような手術ではないので。
「内科(循環器内科)」でやる手術です。
心臓の血管(冠動脈)が詰まって、その先の心筋の
一部が死にかけて「心不全」になっていますから。
「心不全の原因」となっている、「心筋梗塞」の治療。
「血管内手術」っていうのも、
広い意味では心不全の治療になります。
また、心臓の血管(冠動脈)が狭くて、
胸が痛くなる病気の事を「狭心症」って言うんですが。
狭心症の場合、たいていは安静の時は、無症状で、
運動をした時にだけ、胸が痛くなるんですよ。
でも、この狭心症の中でも、血管がすごーく狭くて、
安静の時にでも胸痛が出るようなものを、
「不安定狭心症」って言います。
完全に冠動脈が詰まっている訳ではないので、
心臓の筋肉(心筋)は死んではいないのですけど。
すごーく血管が狭いから、酸素や栄養が十分に行っていないので、
筋肉が弱っているんですよ。
完全に血管が詰まって、心筋が壊死しなくても、
冠動脈がものすごーく狭いと、心筋が弱って心不全になったり、
不安定狭心症になる場合もあるんです。
そういう場合は、「心不全の原因」となっている
狭心症の治療として、血管内手術をする場合もあります。
って事で、「心不全の原因となる病気の治療」についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●心不全の原因となる病気の治療
 ○心筋梗塞、不安定狭心症が原因の心不全の場合、
  血管内手術をして、心臓の表面の血管(冠動脈)を広げる。
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