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  ◆ やぶ医師のひとりごと        第 108 号  ◆
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 H20年1月25日発行 購読者数 11930名
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 ブログ: 「健康、病気なし、医者いらず」
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  <本日のテーマ> 心不全20(心不全の治療8)
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今日も「心不全の治療」についてです。
まずは、先週までの復習。
●心不全とは
 ○「心不全」というのは、「病気」ではなく、「病態」。
●心臓の役割
 ○「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしている。
 ○心臓のポンプ機能が低下した状態の事を「心不全」という。
●心不全の症状
1)心臓(ポンプ)の出力低下による症状
 ○疲れやすい、頻脈、動悸、息切れなど運動能力の低下
2)肺のうっ血による症状
 ○呼吸困難、起座呼吸、咳、痰(ピンク色の泡状の痰)
3)腎臓のうっ血による症状
 ○尿量が減り、体重が増える。
4)消化器のうっ血による症状
 ○食欲低下、吐き気、お腹の張り
5)全身のうっ血による症状
 ○体のむくみ
●心不全の重症度(NYHA分類)
 ○NYHA I~IV度
 I度が軽症で、IV度が重症
●心不全の原因となる病気
 1,心筋不全によるもの
 ○心筋梗塞、心筋症、心筋炎、老化心
 ○貧血、慢性の肺疾患
 ○甲状腺機能亢進症、低下症、脚気など
 2.機械的障害
 ○心臓弁膜症
 ○先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)
 ○心臓を包む膜の病気
  「収縮性心外膜炎」、「心タンポナーデ」
 ○高血圧
1)長期の徐脈(遅い脈)
 ○洞機能不全症候群、完全房室ブロックなど
2)長期の頻脈(速い脈)
 ○心房細動、発作性上室性頻拍症など
●心不全の検査
 ○胸部レントゲン写真、心電図、血液検査
  心臓カテーテル検査、胸部CT、MRI等
●心不全の治療
 ○「心不全そのもの」の治療に加えて、
  「心不全の原因となる病気」の治療もある。
●急性心不全の治療
 ○メインになるのは利尿剤(おしっこを強制的に出す薬)
 ○利尿剤(利尿薬)には、点滴と飲み薬がある
 ○血管拡張薬(点滴と飲み薬、両方ある)
 ○血圧が下がれば、血圧を上げる薬
 ○不整脈が出れば、不整脈を止める薬、等
●慢性心不全の治療
 ○利尿剤(飲み薬)
 ○血管拡張薬(飲み薬)
 ○心臓の負担をとる(興奮する方の神経を抑える薬)
●心不全の原因となる病気の治療
 ○心筋梗塞、不安定狭心症が原因の心不全の場合、
  血管内手術をして、心臓の表面の血管(冠動脈)を広げる。
 ○心臓の弁が悪くなる病気の場合
  根本的な治療は、心臓の弁を交換する「手術」しかない。
  ただし、手術には危険が伴うので、それまでは
  薬などで、心不全の治療を行う。
  そして、手遅れになる前に手術をする。
「心臓」は、血液を循環させる「ポンプ」の役割をしています。
で、そのポンプの機能が低下した状態が「心不全」です。
「心不全の症状」として、疲れやすさや、息切れ、動悸、
呼吸困難、咳、痰などがあります。
そして心不全の原因となる病気には、心筋梗塞、心臓弁膜症、
高血圧、徐脈や頻脈等の不整脈があるんですよ。
そいで、「心不全の治療」の基本は、
体の中に貯まった水分を、体の外に出してあげる事です。
それに加えて、「心不全の原因となる病気の治療」もあります。
心筋梗塞や、重症の狭心症の場合は、血管内手術をして、
心臓の表面の血管(冠動脈)を広げる治療する。
心臓の弁が悪い場合は、弁を取り替える手術をする、って話でした。
んで、今日も「心不全の原因となる病気の治療」の続きです。
心不全の原因となる病気っていうのは、
おおざっぱに分類すると、
○心臓の筋肉そのものが悪くなる病気
○心臓の弁が悪くなる病気
○不整脈
○心臓以外の病気によって、心臓も悪くなる病気
○その他
というように分けられます。
●心不全の原因となる病気の治療
○不整脈
不整脈っていうのは、その名の通り脈が不整になったり、
脈が速くなったり遅くなったりする病気の事です。
不整脈の中でも、すごーく脈が遅くなったり、
逆にすごーく脈が速くなる場合。
心臓が十分に血液を送り出す事ができなくなって、
心不全になる事があります。
不整脈って言っても、いろんな種類があるんですがね。
細かい種類は、覚えなくても良いですけど。
脈が速くなるタイプの不整脈は、飲み薬や点滴の注射で、
止める事ができたり、予防する事ができます。
ま、たくさん薬使っても、コントロールする事ができない
場合もあるんですけどね。
どうしても薬でコントロール出来ない場合は、
カテーテルアブレーションっていう治療をする場合もあります。
これも、広い意味では心臓カテーテル検査、治療の一種ですね。
不整脈の原因となっている「元」を、焼き切るような治療です。
カテーテルアブレーションがどんなものか、って
具体的に知りたい人は、このサイトなんかを参考にして下さいね。
○「国立循環器病センター」:アブレーション治療とは
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/chiryo/ablation/ablation05.html
不整脈の種類によっては、カテーテルアブレーションで、
完全に治す事ができます。
飲み薬だと、一時的に不整脈が出るのを抑える事はできるんですが。
完全に不整脈を治す事はできません。
不整脈が出ると、心不全になる、って事であれば。
不整脈を出ないようにする、予防。
そして、不整脈が出た時に、止めるのが、心不全の治療にもなります。
脈がすごーく遅い不整脈を治す薬っていうのは、
基本的にはないんですよ、残念ながら。
まあ、この薬を飲めば、脈が速くなる、っていう
薬自体はあるんですけどね。
でも、薬を飲むだけでは、突然心臓が止まってしまって、
突然死を予防する事はできない、っていう事がわかっているので。
ものすごく、脈が遅い場合には、飲み薬ではなく、
ペースメーカーっていう機械を体に植え込みます。
○心臓以外の病気によって、心臓も悪くなる病気
心臓以外の病気っていうのは、具体的には、
貧血、慢性の肺疾患、甲状腺機能亢進症、低下症、脚気などです。
貧血っていうのは、体のなかの赤血球が足りない状態の事なので。
出血して血が足りないなら、出血を止めます。
血液(赤血球、ヘモグロビン)の原料になる、
「鉄」が足りない場合は、「鉄」を補充したり、
腎臓が悪くて貧血になっている人なら、注射をします。
それだけでは足りない場合は、輸血が必要になります。
肺の病気の場合は、有効な治療がない場合も多いんですけどね。
でも、薬による治療を行います。
甲状腺の病気は低下症でも亢進症でも、飲み薬が効く事が多いです。
脚気っていうのは、ビタミンB1が不足してなる病気だから、
ビタミンB1を補充する治療を行います。
そんなわけで、今日も「心不全の原因となる病気の治療」
についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●心不全の原因となる病気の治療3
 ○不整脈が原因の場合
 基本的には薬による治療。
 薬では無理な場合は、カテーテルアブレーションを行ったり、
 ペースメーカーを植え込む場合もある。
 ○心臓以外の病気が原因の場合。
  貧血の原因となる出血、鉄不足等の治療をする、
  肺の病気の場合、薬を飲む。
  甲状腺の場合は、基本的には薬の治療。
  脚気の場合は、ビタミン剤を飲む。
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