━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ◆ やぶ医師のひとりごと     第 122 号  ◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 H20年5月2日発行 購読者数 12702名
────────────────────────────
 ブログ: http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/
  __________________________
  <本日のテーマ> 慢性腎臓病(CKD)10
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「慢性腎臓病(CKD)」について。
まずは、先週までの復習。
●慢性腎臓病(CKD)とは
 腎臓の機能が低下し、腎臓が障害をおこした状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)とは、具体的には、
 おしっこ(尿)からタンパクが出たり、
 腎臓の機能が100点満点中60点以下、
 というのが3ヶ月以上続いた状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気には、
 糖尿病、高血圧、慢性腎炎等がある。
●慢性腎臓病(CKD)のステージ分類
ステージ      重症度       進行度による分類
                   GFR(mL/min/1.73m2)
 1 腎障害はあるが、GFRは正常または亢進 ≧90
 2 GFR軽度低下             60-89
 3 GFR中等度低下            30-59
 
 4 GFR高度低下             15-29
 
 5 腎不全                <15
(下線は乗数です。m2はmの2乗です。)
●慢性腎臓病(CKD)の重要性
 慢性腎臓病(CKD)は、腎臓が悪いというだけでなく、
 動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる。
●慢性腎臓病(CKD)の頻度
 ○厳密に慢性腎臓病(CKD)の定義を当てはめると、
  日本には慢性腎臓病(CKD)の患者数は約2000万人。
 ○ただし、日本人というのは、元々腎臓が悪い人種なので、
  それを考慮すると、約400万人の患者がいる。
●慢性腎臓病(CKD)の検査
 ○血液検査、尿検査
●慢性腎臓病(CKD)の症状
 ○基本的には慢性腎臓病(CKD)に症状はない。
 ○ただし、慢性腎臓病(CKD)が進んで、
 
  腎機能がかなり悪くなったり、尿から大量にタンパク
  が出ている場合は、体がむくんだり、
  息が苦しいという症状が出る場合もある。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気1
 ○腎臓の機能が低下する原因
 1),腎臓をたくさん使って、腎臓が疲労してくる。
  具体的には年を取ること(加齢)
 2),病気で腎臓の機能が悪くなる。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気2
 (1)糖尿病(糖尿病性腎症)
 (2)慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)
 (3)高血圧(腎硬化症)
「慢性腎臓病(CKD)」っていうのは、病気ではなく、
腎臓の機能が低下している状態(病態)です。
具体的には、腎臓の機能が100点満点中60点以下、
というのが3ヶ月以上続いた状態です。
腎臓が悪いと、動脈硬化が進んで、心筋梗塞とか脳卒中とか
恐ろしい病気になりやすくなっちゃうんです。
慢性腎臓病(CKD)って診断するためには、
血液検査や尿検査なんかの検査をするんですが、
慢性腎臓病(CKD)には、基本的には症状はありません。
ただ、重症になると、体がむくんだり、息が切れるといった
症状が出る事もあるんですよ。
そいで、腎臓の機能は年を取ったり、糖尿病や高血圧、
慢性腎炎のような病気になると悪くなる、って話でした。
そいじゃあ今日は、慢性腎臓病(CKD)になったら、
どんな治療をするの、って事で。
今日は「慢性腎臓病(CKD)の治療」
についてです。
●慢性腎臓病(CKD)の治療
慢性腎臓病(CKD)で問題になるのは、腎臓の機能が悪いと、
腎臓だけの問題じゃなくって、心筋梗塞とか脳卒中とか。
そういった、命に関わる病気にもなりやすくなるんですよ。
だから、早い内から気をつけないと駄目だよ。
って事なんですよ。
そんなわけで、慢性腎臓病(CKD)の治療っていうのは、
単純に腎臓の機能を悪くしない、っていう事だけじゃなくって、
心筋梗塞や脳卒中にならない為に行う治療、
っていうのが重要になります。
1)生活習慣の改善
糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)のような病気と同じく、
慢性腎臓病(CKD)っていうのも生活習慣病ですから。
一番重要なのは、生活習慣を改善するって事です。
具体的には、
 ○食塩摂取量は6g/day未満におさえる。
 ○肥満を解消する。
 ○禁煙する。
という事が重要になります。
2)血圧をしっかり下げる
高血圧の人って、血圧が正常な人の2倍か3倍くらい、
心筋梗塞や脳卒中になりやすいんですけど。
慢性腎臓病(CKD)+高血圧がある人っていうのは、
更にそれよりも心筋梗塞や脳卒中になりやすくなっちゃいます。
だから、普通の人よりもしっかり血圧を下げる必要があります。
3)糖尿病の人は、血糖値をしっかり下げる
糖尿病の人っていうのも、心筋梗塞や脳卒中になりやすくって。
慢性腎臓病(CKD)+糖尿病の人は、
それ以上になりやすいんですよ。
慢性腎臓病(CKD)+糖尿病の人も、血圧と同じように、
単独で糖尿病だけの人よりもしっかり、
血糖値を下げる必要があります。
4)コレステロールもしっかり下げる
これも、高血圧、糖尿病と同じっすね。
脂質異常症(高脂血症)+慢性腎臓病(CKD)の人は、
より以上にしっかりコレステロールを下げる必要があります。
5)その他
痛み止め(非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs))や造影剤なんかの
薬は、たくさん使うと腎臓が悪くなっちゃうんですよ。
造影剤っていうのは、検査をする時に医師が使うから。
普通の人が量をコントロールする事はできませんけどね。
痛み止めっていうのは、痛いときの為に何錠が、
病院で薬を出してもらってる人っていますよね。
たくさん痛み止めを出してもらって、毎日飲んでいると、
どんどん腎臓の機能が悪くなってしまう事がありますから。
注意しなければなりません。
それと、水分が足りなくなって脱水になっちゃうと、
腎臓の機能が悪くなる事がありますので。
これにも注意が必要ですよ。
そんなわけで、「慢性腎臓病(CKD)の治療」について、
おおざっぱな話でした。
細かい話は、次回以降で書いていきますね。
そんな訳で、今回は「慢性腎臓病(CKD)の治療」
についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今日のまとめ】
●慢性腎臓病(CKD)の治療1
 1)生活習慣の改善
 2)血圧をしっかり下げる
 3)糖尿病の人は、血糖値をしっかり下げる
 4)コレステロールもしっかり下げる
 5)その他
参照:CKD診療ガイド
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━