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 ◆ やぶ医師のひとりごと      第 125 号  ◆
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 H20年5月23日発行 購読者数 12826名
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 <本日のテーマ> 慢性腎臓病(CKD)13
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「慢性腎臓病(CKD)」について。
まずは、先週までの復習。
●慢性腎臓病(CKD)とは
 腎臓の機能が低下し、腎臓が障害をおこした状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)とは、具体的には、
 おしっこ(尿)からタンパクが出たり、
 腎臓の機能が100点満点中60点以下、
 というのが3ヶ月以上続いた状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気には、
 糖尿病、高血圧、慢性腎炎等がある。
●慢性腎臓病(CKD)のステージ分類
ステージ      重症度       進行度による分類
                   GFR(mL/min/1.73m2)
 1 腎障害はあるが、GFRは正常または亢進 ≧90
 2 GFR軽度低下             60-89
 3 GFR中等度低下            30-59
 
 4 GFR高度低下             15-29
 
 5 腎不全                <15
(下線は乗数です。m2はmの2乗です。)
●慢性腎臓病(CKD)の重要性
 慢性腎臓病(CKD)は、腎臓が悪いというだけでなく、
 動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる。
●慢性腎臓病(CKD)の頻度
 ○厳密に慢性腎臓病(CKD)の定義を当てはめると、
  日本には慢性腎臓病(CKD)の患者数は約2000万人。
 ○ただし、日本人というのは、元々腎臓が悪い人種なので、
  それを考慮すると、約400万人の患者がいる。
●慢性腎臓病(CKD)の検査
 ○血液検査、尿検査
●慢性腎臓病(CKD)の症状
 ○基本的には慢性腎臓病(CKD)に症状はない。
 ○ただし、慢性腎臓病(CKD)が進んで、
 
  腎機能がかなり悪くなったり、尿から大量にタンパク
  が出ている場合は、体がむくんだり、
  息が苦しいという症状が出る場合もある。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気1
 ○腎臓の機能が低下する原因
 1),腎臓をたくさん使って、腎臓が疲労してくる。
  具体的には年を取ること(加齢)
 2),病気で腎臓の機能が悪くなる。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気2
 (1)糖尿病(糖尿病性腎症)
 (2)慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)
 (3)高血圧(腎硬化症)、等
●慢性腎臓病(CKD)の治療
 1)生活習慣の改善
 2)血圧をしっかり下げる
 3)糖尿病の人は、血糖値をしっかり下げる
 4)コレステロールもしっかり下げる
 5)その他
●慢性腎臓病(CKD)の治療
 ○生活習慣の改善
 (1),食事療法
 A)、塩分を一日に6グラム以内に制限する。
 B)、タンパク質を制限する。
 C)、基本的にはエネルギー制限はしない。
 (2)、水分を制限し過ぎない
 (3)、肥満を解消する
 (4)、禁煙する
 (5)、お酒はほどほどに
「慢性腎臓病(CKD)」っていうのは、病気ではなく、
腎臓の機能が低下している状態(病態)です。
具体的には、腎臓の機能が100点満点中60点以下、
というのが3ヶ月以上続いた状態です。
腎臓が悪いと、動脈硬化が進んで、心筋梗塞とか脳卒中とか
恐ろしい病気になりやすくなっちゃうんですよ。
そいで、慢性腎臓病(CKD)って診断するためには、
血液検査や尿検査なんかの検査をするんですが、
慢性腎臓病(CKD)には、基本的には症状はありません。
で、腎臓の機能は年を取ったり、糖尿病や高血圧、
慢性腎炎のような病気になると悪くなるんですよ。
食事療法の具体的な内容は、塩分とタンパク質の制限で、
カロリーは基本的には制限しない。
水分は制限しないでむしろ多めに摂って、肥満は解消する。
タバコは絶対にやめなきゃ駄目、って話でした。
そいじゃあ今日も、「慢性腎臓病(CKD)の治療」の続きです。
●慢性腎臓病(CKD)の治療4
 2)血圧をしっかり下げる
高血圧の治療には食事運動療法と、
薬物療法の2種類あります。
薬物療法っていうのは、その名の通り、
血圧を下げる薬を飲んでもらう、っていう治療なんですけど。
「高血圧の薬(降圧薬)を飲んでるから、
何を食べても飲んでも良いんだ。」
とか、
「運動はしなくても良いんだ。」
って事にはなりません。
降圧薬を飲みながら、食事療法もするし、
運動療法も、同時にしてもらうのが原則です。
詳しい話は、無料レポートに書いてありますので。
もし、まだ読んでない方がいらっしゃったら読んで下さいね!
 ★日本一わかりやすい!「高血圧」
 http://www.muryoj.com/get.php?R=826&M=874
このレポートにも書いてありますけど。
健康で他に病気がない、っていう人の血圧の目標値は、
140/90mmHg未満になります。
血圧が140/90mmHg以上だと高血圧って病気になるので。
これより低い値にしましょうね、って事です。
ま、厳密に言うと、若い人はもっと低い方が良い、とか。
高齢者はそこまで下げる必要がないんじゃないか、とか。
年齢によっても、いろいろ違うんですけどね。
まあ、細かい事は置いておいて。
なんで目標値がこの値になっているのか、っていうと。
血圧が140/90mmHg以上だと、心筋梗塞とか脳卒中とか、
腎不全とか、そういう病気になりやすいからなんですよ。
薬を使ってでも何をしてでも、この血圧よりも低くできたら、
そういった病気になりにくい、っていう事がわかっているので。
血圧は140/90mmHg未満が目標っていう事になっています。
そいじゃあ、本題に戻って。
他になんにも病気がない人の場合は、
血圧の目標は140/90mmHg未満、って事で良いんですけど。
だったら、慢性腎臓病(CKD)の場合はどうなんだ。
という事なんですけど。
血圧が140/90mmHgじゃあ駄目なんですよー。
もっと厳しく、しっかり血圧を下げないと、
心筋梗塞になったり脳卒中になったりするし。
尿からタンパクがたくさん出たりして、
腎臓の機能も悪くなっちゃうんですよ。
慢性腎臓病(CKD)に関しては最近、研究が進んで、
だんだんそういった事がわかってきました。
そいじゃあ、どんだけ下げたら良いんだ。
って話なんですけど。
具体的な血圧の目標としては、
「130/80mmHg未満」
という事になっています。
健康な人の目標血圧は140/90mmHgですから、
上も下も10mmHgずつ低くなっています。
更に細かい話になっちゃうので。
こっから先は覚える必要はないんですけど。
血圧を下げる薬(降圧薬)っていっても、
何種類もあるんですよー。
おおざっぱに言うと、7,8種類。
一つの種類の中でも、何種類も何十種類もある
降圧薬とかもありますから。
降圧薬だけで、100種類くらいあるんじゃないっすかね。
正確には知りませんけど。
そのいっぱいある降圧薬の中でも、
腎保護作用がある薬があります。
ACE阻害薬、ARB(アンジオテンシンII受容体きっ抗薬)
って言われる薬剤なんですけどね。
これらの薬を飲むと、尿タンパクが減ったり、
腎臓が悪くなるのを遅くする、っていう事がわかっています。
まあ、血圧を下げるだけでも、腎臓の機能が悪くなるのを
遅くしたり、尿タンパクが減ったりするんですけど。
同じ血圧でも、もっと腎臓に良い、っていう事がわかっています。
だから慢性腎臓病(CKD)の人は、
血圧を130/80mmHg未満に下げる、って事も大事なんだけど。
できれば、ACE阻害薬、ARBを使って、この値まで下げる。
一種類で足りなかったら、何種類かの薬を使ってでも、
血圧を130/80mmHg未満に下げる。
っていうのが、これ以上腎臓の機能を悪くしないために、
そして、心筋梗塞や脳卒中にならないために、
非常に重要になります。
そんな訳で、今日は慢性腎臓病(CKD)の治療の中で、
血圧についてでした。
最後の方はちょっと専門的な話になっちゃったから、
全然覚える必要はないんですけど。
おおざっぱに言うと、慢性腎臓病(CKD)の人は
普通の人よりもがっちり血圧を下げなさい。
っていう事ですわ。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
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【今日のまとめ】
●慢性腎臓病(CKD)の治療4
 2)血圧をしっかり下げる
  具体的には血圧 130/80mmHg未満が目標。
  できればACE阻害薬、ARBという薬を使う。
参照:CKD診療ガイド
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