━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ やぶ医師のひとりごと      第 126 号  ◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 H20年5月30日発行 購読者数 12885名
────────────────────────────
 ブログ: http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/
 __________________________
 <本日のテーマ> 慢性腎臓病(CKD)14
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「慢性腎臓病(CKD)」について。
まずは、先週までの復習。
●慢性腎臓病(CKD)とは
 腎臓の機能が低下し、腎臓が障害をおこした状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)とは、具体的には、
 おしっこ(尿)からタンパクが出たり、
 腎臓の機能が100点満点中60点以下、
 というのが3ヶ月以上続いた状態(病態)。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気には、
 糖尿病、高血圧、慢性腎炎等がある。
●慢性腎臓病(CKD)のステージ分類
ステージ      重症度       進行度による分類
                   GFR(mL/min/1.73m2)
 1 腎障害はあるが、GFRは正常または亢進 ≧90
 2 GFR軽度低下             60-89
 3 GFR中等度低下            30-59
 
 4 GFR高度低下             15-29
 
 5 腎不全                <15
(下線は乗数です。m2はmの2乗です。)
●慢性腎臓病(CKD)の重要性
 慢性腎臓病(CKD)は、腎臓が悪いというだけでなく、
 動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる。
●慢性腎臓病(CKD)の頻度
 ○厳密に慢性腎臓病(CKD)の定義を当てはめると、
  日本には慢性腎臓病(CKD)の患者数は約2000万人。
 ○ただし、日本人というのは、元々腎臓が悪い人種なので、
  それを考慮すると、約400万人の患者がいる。
●慢性腎臓病(CKD)の検査
 ○血液検査、尿検査
●慢性腎臓病(CKD)の症状
 ○基本的には慢性腎臓病(CKD)に症状はない。
 ○ただし、慢性腎臓病(CKD)が進んで、
 
  腎機能がかなり悪くなったり、尿から大量にタンパク
  が出ている場合は、体がむくんだり、
  息が苦しいという症状が出る場合もある。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気1
 ○腎臓の機能が低下する原因
 1),腎臓をたくさん使って、腎臓が疲労してくる。
  具体的には年を取ること(加齢)
 2),病気で腎臓の機能が悪くなる。
●慢性腎臓病(CKD)の原因となる病気2
 (1)糖尿病(糖尿病性腎症)
 (2)慢性腎炎(慢性糸球体腎炎)
 (3)高血圧(腎硬化症)、等
●慢性腎臓病(CKD)の治療
 ○生活習慣の改善
 (1),食事療法
 (2)、血圧をしっかり下げる
  具体的には血圧 130/80mmHg未満が目標。
  できればACE阻害薬、ARBという薬を使う。
「慢性腎臓病(CKD)」っていうのは、病気ではなく、
腎臓の機能が低下している状態(病態)です。
具体的には、腎臓の機能が100点満点中60点以下、
というのが3ヶ月以上続いた状態です。
腎臓が悪いと、動脈硬化が進んで、心筋梗塞とか脳卒中とか
恐ろしい病気になりやすくなっちゃうんですよ。
そいで、慢性腎臓病(CKD)って診断するためには、
血液検査や尿検査なんかの検査をするんですが、
慢性腎臓病(CKD)には、基本的には症状はありません。
で、腎臓の機能は年を取ったり、糖尿病や高血圧、
慢性腎炎のような病気になると悪くなるんですよ。
慢性腎臓病(CKD)の治療には、生活習慣の改善や、
血圧、血糖、コレステロールをしっかり下げる事が重要で。
血圧に関しては、130/80mmHg以下っていう、
普通の人よりも低い値に保つ、っていう話でした。
そいじゃあ今日も、「慢性腎臓病(CKD)の治療」の続きです。
●慢性腎臓病(CKD)の治療5
 3)糖尿病の人は、血糖値をしっかり下げる
糖尿病の人っていうのは、慢性腎臓病(CKD)がなくても、
心筋梗塞や脳卒中になりやすいんですよ。
先週は、慢性腎臓病(CKD)の人は、
血圧を130/80mmHg(普通の人の目標値は140/90mmHg)
まで、しっかり下げる。
っていう話をしましたけど。
糖尿病の人も、血圧の目標値は130/80mmHgになります。
糖尿病も慢性腎臓病(CKD)も生活習慣病だから。
どっちも、心筋梗塞や脳卒中になりやすいんで、
非常に厳しく血圧を管理する必要があるんですよ。
じゃあ、糖尿病があって、かつ慢性腎臓病(CKD)もある。
「糖尿病+慢性腎臓病(CKD)」の人は、っていうと。
当然、もっとがっちり血圧を下げた方が良いです。
具体的に言うと、糖尿病性腎症で、尿タンパクが
1日に1グラム以上出ている人とか、
GFRという腎臓の機能が60点以下の人は、
血圧を125/75mmHg以下にした方が良い、
って言われています。
血圧の話は、先週もしたし。
今週は血糖値の話ね。
最近は、血圧も血糖値もコレステロールの値も。
下げれば下げるほど、心筋梗塞や脳卒中になりにくい。
特に、高血圧や糖尿病、高脂血症(脂質異常症)だけでなく、
他の病気も持っている人とか。
一回、心筋梗塞や脳卒中になった事がある人。
それと、慢性腎臓病(CKD)の人なんかも、
更に厳格なコントロールをした方が良い。
っていう方向になっています。
糖尿病の人の血糖値っていうのも、
どんどん新しくなって、基準が厳しくなっています。
細かい値とか、そんなのは覚える必要もないんで。
もし興味ある人は、これなんか見て貰えると良いかな。
→ 「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」
http://www.lifescience.jp/ebm/cms/cms/no.9/comment/comment.htm
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)っていう、
約一ヶ月の血糖値の平均値を意味する物があるんだけど。
これって、高ければ高い程、ずーっと血糖値が高いって事で、
低いって事は、一ヶ月間平均して血糖値が低い、
って事なんです。
正常な人は、5とかそんくらいなんですけど。
糖尿病の人は、6とか7とか。
すごく糖尿病のコントロールが悪い人は、10以上とか。
そんな感じの値になるもんなんですわ。
昔は、HbA1cが7%以下であれば、まあ良いだろう。
って事でコントロールされてきたんですが。
最近は、HbA1cが6.5%以下じゃないと、
血糖のコントロールが良好とは言えなくなりました。
空腹時の血糖値は110~130mg/dlの間。
(正常値は空腹時血糖110mg/dl以下。
空腹時血糖が126mg/dl以上で糖尿病という診断。)
という、ほとんど正常の人と同じくらいまで、
血糖値を下げなさい、っていう事になっています。
糖尿病についてもっと知りたい人は、
私が書いた無料レポートを読んでみてね!
 ★日本一わかりやすい!「糖尿病」
 http://www.muryoj.com/get.php?R=824&M=874
そんな訳で、今日は慢性腎臓病(CKD)の治療の中で、
血糖値についてでした。
またちょっと専門的な話になってきましたね。
どうしても、治療っていうのはそうなっちゃいますねー。
まあ、覚える必要はないですよ。
おおざっぱに言うと、慢性腎臓病(CKD)の人は
普通の人と同じくらいになるまで、血糖値を下げなさい。
っていう事ですわ。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきますね!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【今日のまとめ】
●慢性腎臓病(CKD)の治療5
 3)糖尿病の人は、血糖値をしっかり下げる
  具体的にはHbA1cが6.5%以下。
  空腹時の血糖値は110~130mg/dl。
参照:CKD診療ガイド
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━