<本日のテーマ> 高血圧 3 (生活習慣病 2)

第1回は高血圧の診断基準。
第2回の前回は高血圧の種類と検査でしたね。
第3回の今日は高血圧の合併症についてです。
合併症というのは、その病気がもとになって起こる、別の病気や症状の事です。

前からこのメルマガを購読している読者さんは、もうご存じですね。
この「合併症」という言葉は、どの病気でも出てくるので、覚えといた方が良いですよ。

高血圧の合併症

で、具体的に高血圧の合併症に何があるかというと

○脳卒中
○心臓病
○動脈瘤、大動脈解離
○高血圧性腎症

なんかがありますね。

全部命に関わる重要な病気です。
では、一つずつ見ていきましょう。

合併症の種類

○脳卒中

名前は聞いたことがありますよね。
漫画とかで、
「あんた、そんなに青筋たてて怒ったら、頭の血管切れるよ」
って場面がありますよね。

実際、怒ったり興奮すると血圧は上がります。
血圧というのは、血液を送り出す圧力の事です。
圧力が高いって事は、力いっぱい叩いているって事です。
そーっとほっぺたを叩いただけならちょっと赤くなるだけで済んでも、思いっきり力入れてびんたしたら、真っ赤に内出血しますよね。
あれと同じで、血圧がすごーく高いと、血管を力いっぱい叩いているようなもんなので、出血しやすくなります。
頭の血管から出血したら、脳出血です。
血管というのは、血液を送る時に使う管です。
水道管みたいなものですね。

血圧が高いと、ずーっと高い圧力がかかるので、血管は普通よりも痛みやすくなります。
こういうのを動脈硬化っていうんです。
血管が痛みやすいっていうのは、具体的には、もろくなって出血しやすいとか、詰まりやすいって事です。

頭に行く血管が詰まって、脳の一部が死んでしまう病気の事を脳梗塞って言います。
脳の表面は、脳を守るために何重もの膜で覆われているんですが、その中に、「くも膜」って膜があるんです。
その下(内側、脳側)に血管があるんですが、そこの血管から出血する病気の事を、くも膜下出血と言います。

脳出血、脳梗塞、くも膜下出血。
これら3つを合わせて、脳卒中と言います。

○心臓病

心臓病って言ったってたくさんありますよね。
その中でも大きく分けて2種類あります。
さっきも言いましたけど、高血圧が続くと、血管に負担がかかって動脈硬化が進むんです。
で、脳に行く血管が詰まると脳梗塞なんですけど、心臓に行く血管が詰まると心筋梗塞になるんですよ。

心臓に行く血管が細くなるけど、詰まりはしない、その前くらいの段階の事を狭心症って言います。
高血圧があって、動脈硬化が進むと、こういう狭心症や心筋梗塞といった動脈硬化性の心臓病が増えます。

話は変わって、血液を送り出す臓器ってなんですか。
はい、正解。
心臓です。
間違った人。
じゃあ、今覚えて下さい。

高血圧っていうのは、血液を送り出す圧力が高い病気です。
当然いつも高い圧力で血液を送り出していれば、心臓にも負担がかかりますね。

具体的に言うと、心臓の筋肉(心筋)が鍛えられて、心筋がぶ厚くなります。
こういうのを高血圧性の心肥大といいます。

最初のうちはただ筋肉が厚くなるだけで済んでいても、最終的には心臓がそれに耐えられなくなって、心臓の動きが悪くなってしまう場合があります。
そしたら心不全になってしまいます。

高血圧があると、こういった動脈硬化性の病気と、心臓そのものに負担がかかる病気と、両方増えちゃいます。

○大動脈瘤、大動脈解離

血管というのは、血液を通す管でしたね。
その中でも、体の真ん中を通る大きな動脈を大動脈と言います。
木で言うと幹の部分で、一番大事な所です。
高血圧があると血管に常に高い圧力がかかっているわけですから、次第に動脈が太くなってしまいます。

血管がある程度以上に太くなると、動脈瘤という病気になります。
名前の通り、血管の一部分がこぶのように、ふくれちゃうんです。
太くなるだけではなく、もろく、薄くなります。
何が悪いか、っていうと。
「破裂」するんです。
血管が破裂するんですよ。

血管っていうのは血液を送り出す、管ですよ。
イメージとして水道管の破裂を思い出して下さい。
どばーっと水が噴き出しますね。
同じように、血管が破裂したら、どばーっと血が出ます。
いや、血が出るなんてもんじゃないですよ。
まあ、体の中で出血するので外からはわからないんですが。
自殺する時に、手首の動脈を切る人がいますが、あれよりもっと何倍も太い、たくさん血液が流れている血管が、破裂するんですよ。
イメージできますか。

時代劇や映画なんかで、悪人が刀で切られて、血がどばーっと出るシーンがありますよね。
あれの何倍もすごい位の勢いで血が出ます。
体の中の話なので、実際に見た事はないんですけどね。
でも、大動脈が破裂したら、その位血が出ます。

当然、治療は緊急手術なんですが。
8~9割以上は死んでしまいます。
残念ですが、当たり前ですね。
どんな名医でも、です。

大動脈が太くなって、こぶみたいになるのを大動脈瘤。
血管がもろくなって、一部裂けてしまう病気の事は、大動脈解離と言います。

○高血圧性腎症

心臓は血液を送り出す臓器ですが、腎臓というのは、フィルターみたいな臓器です。
老廃物を、こし取ったりする臓器です。

コーヒーのフィルターをイメージして下さい。
コーヒーメーカーって、その上にコーヒーの元?をおいたら、コーヒーだけが自然にぽたぽた落ちてきて、おいしいコーヒーになりますよね。
あれを、上から無理矢理圧力かけて押したらどうなりますか?
フィルターの目が徐々に大きくなって、余計なコーヒー豆の一部までコーヒーに入ってしまいますよね。

高血圧ってのは、高い圧力で常に腎臓に行く血液を押している、みたいなもんですから、長い間それがつづくと、フィルターが駄目になってしまいます。
で、尿からタンパクが出たりして、それが進むと、最終的には透析が必要になってしまうんです。
高血圧の場合も、糖尿病と同じく合併症が問題なんです。
合併症は一日とか一ヶ月とかでなるものではなくて、
何年、何十年かけて病気になっていくものです。
だから、気づいた段階で対処すれば、まだ間に合うんですよ。
そういったわけで、今日は高血圧の合併症についてでした。
いつものように、下にまとめを書いておきますね。

【今日のまとめ】

●高血圧の合併症には、動脈硬化が進んでなるものと、
臓器そのものに負担がかかるものと2種類ある。
●具体的な病名は、
○脳卒中
○心臓病
○動脈瘤、大動脈解離
○高血圧性腎症
等である。
●どれも、命に関わる重大な病気です。
●合併症は、一日とか一ヶ月とかでなるものではなく、
何年、何十年かけて病気になっていく。

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