<本日のテーマ> 高尿酸血症、痛風の合併症

高尿酸血症と痛風。
第一回は、高尿酸血症の診断基準。
第二回は、痛風の原因と誘因。
第三回は、高尿酸血症、痛風の頻度となりやすいタイプ。
第四回の前回は、痛風の症状と経過についてでしたね。

前回までのまとめ
●高尿酸血症の診断基準
年齢、性別に関わらず、血清尿酸値が7.0mg/dL以上。

●「高尿酸血症」の状態がさらに進んで、関節に炎症が起こって、痛くなる病気が「痛風」。

●痛風の誘因
1.食べ過ぎ(カロリーの多い食事や動物性食品)
2.アルコールの飲み過ぎ
3.肥満
4.ストレス
5.その他二次性のもの

●痛風のほとんど(99%)は男性。
女性の痛風は閉経前はまれ(約1%)で、ほとんどは閉経後(3~5%)に起こる。

●痛風発作は、ある日突然関節に激しい痛みが襲う。

●痛風発作で一番多いのは、足の親指の付け根(第一中足趾節関節)。足の甲、足関節(くるぶしの下の所にある関節)、膝関節、手指遠位関節、肘関節、アキレス腱でも起こる事がある。

●痛風発作の部位も一ヶ所にとどまらないこともあり、関節や筋肉、皮下などに尿酸結晶の塊(痛風結節)ができることもある。

●合併症が慢性・悪化し、腎不全や脳卒中、心筋梗塞などで最悪の場合は、死ぬこともある。

高尿酸血症、痛風の合併症

第五回の今日は、高尿酸血症、痛風の合併症についてです。

その前に、ちょっと前回の訂正です。
このメルマガを書く前に、何冊かの教科書を読んで一番多い意見を採用しているつもりなんですが。
ちょっと教科書が古かったのと、言い方に語弊があったようなので少し訂正しますね。

●痛風発作の症状(痛み)は、24時間以内にもっとも強くなり、たいていは1~2週間で完全になくなる。
ってところ。

痛風発作の多くは数日でおさまる事が多いんです、実は。
で、長くとも一週間か、せいぜい二週間って意味でした。
それと、関節、関節って書きましたが、関節以外にも足の甲なんかにも起こるんですよ、前回も書いたアキレス腱とか。
だから、関節にしか起きないって意味ではないです。
すいません。

●何回も同じ関節で痛風発作を繰り返すと、そこの部位は、関節の変形や破壊も起こる。

●痛風発作の部位も一ヶ所にとどまらないこともあり、関節や筋肉、皮下などに尿酸結晶の塊(痛風結節)ができることもある。

関節そのものが破壊されるのではなく、関節の周囲や軟骨、皮下組織などにも尿酸の結晶がたまり、「痛風結節」ができるって事ですね。
最近はほとんど見なくなりましたが。
私も見た事はありません。

という事で、専門家の先生からご指摘をいただきましたので、ここで訂正しておきますね。

では、気持ちを改めて、高尿酸血症、痛風の合併症についてです♪

合併症というのは、その病気がもとになって起こる、別の病気や症状の事です。

糖尿病、高血圧、高脂血症でも出てきたので、前からこのメルマガを購読している読者さんは、もうご存じですね!

今まで、痛風の「痛み」の話ばっかりしていましたよね。
でも、一番怖いのは、「痛み」ではないんですよ。
極端な話、痛いだけじゃ死にませんから。
高尿酸血症、痛風で一番怖いのは、この合併症なんですよー。

合併症の種類

■尿路結石
尿中の尿酸の濃度がすごーく高くなっちゃうと、尿酸が溶けきれなくなるんです。
そーなったら、尿酸の結晶が腎臓の中で作られてしまいます。

昔、理科の実験で似たような事やりませんでしたか。
あんな感じですね、結晶ってのは。
それが腎臓内で起こるんですよ。

腎臓と膀胱の間をつなぐ尿管っていう管の径は、数mmとすごーく細いので、尿酸の結晶が詰まりやすいんですよ。
そして、激しい痛みと血尿を伴う発作を引き起こします。
これが尿管結石です。
痛風の人の約20%位に合併すると言われています。

■腎障害、痛風腎
普通だと尿酸は尿に溶けて、腎臓からおしっことして、外に出されるんです。

でも、上で書いたように尿酸の濃度が高くなると、尿酸の一部が結晶化してしまうんですよ。
そしてそれが腎臓を傷つけたり、沈着すると腎障害を起こします。
そしてずーっとそれを放っておくと、最終的には慢性腎不全になって、血液透析が必要になる事もあります。

最近は良い薬があるから、痛風腎で透析になったという人はあんまりいないんですが、放っておけばそうなる可能性はあります。

そして、お得意様の登場です。
そうです、前の生活習慣病シリーズでも登場した、あの方達です。

■高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満症
痛風患者では、高血圧(約50%)、高脂血症(約40%)、と高率に他の生活習慣病を合併します。

それぞれの病気については、以前のメールマガジンで書きましたので、ここで細かく説明する事は、省きます。
ちなみに、糖尿病については無料レポートにまとめたので、興味のある人はこちらを見てくださいね!

⇒ 日本一わかりやすい!「糖尿病」
http://1muryoureport.com/?3068

高尿酸血症、痛風の患者では約80%の人が、これらの病気を合併すると言われています。
痛風は「ぜいたく病」って言われるくらいの病気ですから。
たくさん食べたりとか、運動不足等の生活習慣。
これらは、糖尿病や高血圧、高脂血症の原因のところでも出てきましたから、こういう生活をしていたら痛風だけじゃなくって他の生活習慣病になってもおかしくないですよね!

そしていちばん大事なこと。
それは。
こういう他の生活習慣病を合併すると、狭心症や心筋梗塞、そして、脳梗塞なんかになりやすくなっちゃうんですよー。

以前は痛風の死因として、一番多かったのが腎不全だったんですが。
最近は薬が良くなったのと、透析が発達したので、一番ではなくなっています。
まだ、それでも多い事は多いんですけどね。
問題なのは、それ以上のペースで、心筋梗塞や脳梗塞によって死亡する人が増えているって事なんですよー。

高尿酸血症や痛風単独でも、心筋梗塞や狭心症になる確率が2~3倍になるって最近の研究もあるんですが。

今の所はまだ、高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満症、タバコのように単独で心筋梗塞になる確率を増やすって事は証明されていません。
しかし、確実なのは、高尿酸血症や痛風に高血圧や糖尿病、高脂血症等の他の生活習慣病を合併すると、確実に心筋梗塞になる確率が増えるって事。

そして、高尿酸血症や痛風の人は高率でそれらの病気を合併するって事です。
ここでもう一つ訂正。

前回のメルマガで
●進行すると合併症が慢性・悪化し、腎不全や脳卒中、心筋梗塞などで最悪の場合は、死ぬこともある。

って書きましたけど。
これって、痛風の病状が悪化すると、って意味ではないんです。
今回書いたように、他の生活習慣病を合併すると、そうなっちゃうよって意味ですからね。
心筋梗塞も脳梗塞も、なってしまったら死ぬかもしれない、ものすごーく大変な病気です。
だから大事なのは、予防する事なんですよ、予防。
他の病気でも、いっつも言っていますよね。

高尿酸血症、痛風の予防に関しては、次回以降でお話します。
いつものように、下にまとめを書いておきますね。

【今日のまとめ】

●痛風の合併症には、尿路結石、腎障害、痛風腎、高血圧や糖尿病、高脂血症等がある。

●痛風腎になって、腎不全になると、透析が必要になる事もある。

●高血圧や糖尿病、高脂血症等を合併すると、心筋梗塞や脳梗塞になる確率が高くなる。
最悪の場合は死亡する事もある。