<本日のテーマ>肺塞栓症、肺梗塞 1

今回からは肺塞栓症、肺梗塞について勉強していきます。
気分を新たに行きますよー!

「エコノミークラス症候群」って言葉の方が、なじみがある人も多いのかもしれませんが。
厳密には違う病気なんですけどね。

肺塞栓症と肺梗塞とは

まずは言葉の定義についてです。
とりあえず、肺塞栓症と肺梗塞の定義を見ていきましょうか。

○肺塞栓症

塞栓子が静脈血流にのって肺動脈(静脈血を酸素化のために肺に送る大血管)あるいはその分枝を閉塞し肺循環障害を来した状態。

「塞栓子」っていうのは、血の固まり(血栓)や腫瘍など何でも良いんですよ、簡単に言うと。
なんでも良いから、塊みたいなものが肺の動脈にあって、肺動脈を詰まらせたら、その詰まらせた元になった塊の事を「塞栓子」っていいます。

肺動脈っていうのは、肺に血液を送っている血管なので、肺動脈が詰まったら、肺に血液が行かなくなってしまいます。
こういう風に血液が行かなくなることを「循環障害」って呼びます。
肺に血液が行かなくなるから、肺循環障害なんですね。

分枝っていうのは、まあ、字そのままなんですが。
肺動脈っていうのは、木のみたいに、幹のような大きな血管(肺動脈の本幹)があって、それが枝分かれしているんです。
その、枝別れした先の血管の事を分枝(ぶんし)って言います。

うーん、医学用語って面倒くさいですねー。
面倒くさいけど、次行ってみましょうか!

○肺梗塞

肺塞栓症の結果、肺組織に出血性壊死(えし、組織が死んでしまう事)をおこした状態。

通常肺組織は肺動脈と気管支動脈との二重の血液供給を受けており多くの場合では塞栓症が即、肺組織の壊死とはならない。
頻度的には肺梗塞は肺塞栓症の10%以下とされている。

肺塞栓症ってのは、肺動脈が詰まって肺に一時的に血液が行かなくなる事ですね。

それが続くとどうなると思いますか?

血液っていうのは、酸素を運んでいるので、ずーっと肺に酸素が行かなくなったら、肺の組織が死んでしまいます。
ただ肺動脈が詰まっただけでなく、肺に血液(酸素)がずーっと行かなくなって肺の組織が死んじゃったら、「肺梗塞」になります。

で、その次の「二重の血液供給」って所。

一本しか道路がない所で、その道路が閉鎖されたら、その先には行けなくなってしまいますよね。

でも、道路が2本平行して走っていたら、一本が閉鎖しても、他の道を使ってその先に行けますよね。

肺も同じで、肺には肺動脈と気管支動脈って2本の動脈があるんですよ。
2本の血管から、血液(酸素)を送って貰っているんです。

だから、一本(肺動脈)が詰まっても、気管支動脈の方が大丈夫だったら、全く血液が行かないってわけではないので、全部の肺組織が死ぬって事じゃないんです。

肺動脈が詰まる
=肺に全く血液が行かなくなってしまう
=肺梗塞
ではないってことです。

多くの場合は、片方が詰まっても、もう一方が大丈夫なので、肺の組織が死ぬまではいかないって事です。

だから、肺梗塞は肺塞栓症の10%以下しかないって事ですよ。

そんなわけで、今日は言葉の定義を説明していたら、こんなに長くなっちゃったので、ここで終了しますか。

今日は肺塞栓症と肺梗塞の定義についてでした。
今日はここまで。

いつものように、下にまとめを書いておきまーす。

【今日のまとめ】

●肺塞栓症
肺動脈やその分枝に、血液の塊や腫瘍などの塞栓子が詰まって、肺に血液(酸素)が行かなくなる状態。

●肺梗塞
肺動脈が詰まっただけでなく、肺に血液(酸素)が行かなくなって肺の組織が死んでしまう状態。
肺梗塞の頻度は、肺塞栓症の10%以下。