<本日のテーマ>肺塞栓症、肺梗塞2 肺塞栓症、肺梗塞の原因

肺塞栓症、肺梗塞シリーズ。
第一回の前回は肺塞栓症と肺梗塞の定義についてでした。

前回の復習

●肺塞栓症
肺動脈やその分枝に、血液の塊や腫瘍などの塞栓子が詰まって、肺に血液(酸素)が行かなくなる状態。

●肺梗塞
肺動脈が詰まっただけでなく、肺に血液(酸素)が行かなくなって肺の組織が死んでしまう状態。
肺梗塞の頻度は、肺塞栓症の10%以下。
肺に血液(酸素)を送る肺動脈に、なんかが詰まって肺に血液が行かなくなったら、肺塞栓症。
そいで、肺の組織が死んでしまったら、肺梗塞って事っすね。

肺塞栓症、肺梗塞の原因

じゃ、なんで肺動脈が詰まるのかって、事で、肺塞栓症、肺梗塞の原因について書いていきましょうか。

○肺塞栓症、肺梗塞の原因
肺動脈に詰まる原因となるもの(塞栓子)の中で、最も多いのは血の塊(血栓)です。
そして、そのほとんどは足の静脈でできた血栓です。
それ以外には、骨折により放出される脂肪組織や、羊水・空気なんかが肺動脈に詰まる事もあります。

■深部静脈血栓症
普通の人が「静脈」って言われてイメージするのは、手に浮き出ている血管なんかじゃないですかね。
ま、怒った時に額とか首に浮き出る血管をイメージする人もいるかもしれませんけどね。

採血とか、点滴をしたりする時に針を刺す、手の静脈は、体の表面に近い所(皮下)にある静脈です。

静脈の中には体の表面に近い所(皮下)にある静脈と、もっと奥の方にある静脈と、いろいろあるんです。
深部静脈血栓症って言うのは、文字通り、深いところにある静脈に血栓(血の塊)ができる病気(病態)の事ですね。
特に足の静脈に血栓ができる事が多いです。

■深部静脈血栓症の原因
けがをして血が出ても、自然に血が止まるように。
血液には、自然に血が凝固するために、血小板とか、その他の凝固因子ってものが含まれているんです。

でも、基本的には血管の中には、血液が流れていますから。
血液が普通に流れていたら、血が固まるって事はないんですよ。

血が固まり易い時ってのは、血液がうっ滞している時とか、血液を固める凝固因子ってものが働き過ぎてる時とか、血管が傷ついている時なんです。

血っていうのは、液体だけじゃなくって、凝固因子とか白血球、赤血球とかがあるんです。
そいで、血液の流れが滞ってしまうと、固まりやすくなるんです。
じゃあ、具体的にどういう時に血が滞って固まるかっていうと。

○長時間の飛行機搭乗
いわゆる「エコノミークラス症候群」とも言われます。
長時間水分もとらず、じーっと座り続けると、血液が滞って深部静脈血栓症がおきやすくなります。
エコノミークラス症候群について、もっと知りたい人は
こちらをどうぞ!
「気をつけて!死んじゃうかも!フライトの旅行で注意すべき病気!」
→ http://mailzou.com/get.php?R=3920&M=385

○下肢深部静脈炎
下腿部(ふくらはぎ)のあたりの静脈に炎症が起きると、そこに血が滞る事があります。
炎症範囲が拡がって、血栓形成が大腿(太もも)から骨盤内の静脈内にまで及ぶと、症状を引起すような塞栓子となる事があります。

それと、生まれつき血が固まりやすい病気の人も、血栓が出来やすいですよね。
それ以外に、骨折(特に骨盤・下肢の外傷)の後なんかに脂肪が肺動脈に詰まって、肺塞栓、肺梗塞になることもあります。
また、悪性腫瘍、いわゆる「ガン」、妊娠分娩、経口避妊薬(ピル)の常用等でも、肺塞栓症、肺梗塞になりやすいです。

余談ですが。
肺血栓塞栓症の原因の殆どが、深部静脈血栓症で、深部静脈血栓症があると、非常に肺血栓塞栓症、肺梗塞になりやすいんです。

だから、欧米では両者を一連の病態って考えて、「静脈血栓塞栓症」っていう総称で、まとめて呼ぶようになりつつあります

という事で、今日は肺塞栓症と肺梗塞の原因についてでした。
今日はここまで。

いつものように、下にまとめを書いておきます。

【今日のまとめ】

●肺塞栓症、肺梗塞の原因
ほとんどが、足の静脈で血が滞って、血の塊が肺動脈に詰まる、深部静脈血栓症。
エコノミークラス症候群もそれに含まれる。

●骨折(特に骨盤・下肢の外傷)、悪性腫瘍(ガン)、妊娠分娩、経口避妊薬(ピル)の常用等でも、肺血栓塞栓症、肺梗塞になりやすい。
参考:札幌厚生病院循環器科HP