<本日のテーマ>脳梗塞7、脳梗塞の治療(リハビリテーション)

脳卒中シリーズの脳梗塞について。
元自民党の、平沼赳夫代議士も軽い脳梗塞にかかったんですねー。
思いっきりタイムリーなネタになっちゃいましたね!

まずは、先週までのまとめ。

●脳梗塞とは
「脳に行く血管」が「詰まる」病気。

●脳梗塞の種類
1)ラクナ梗塞
2)アテローム血栓性脳梗塞
3)心原性脳梗塞

●脳梗塞の症状
□片麻痺(半身が動かなくなること)
□失語症(言葉がしゃべれなくなること)
□意識障害
□頭痛、吐き気は、ない事も多い。

●脳梗塞の前駆症状
1.食事中にはし(箸)を落とす。
2.言葉が出てこない。
3.片側の手足がしびれる。
4.ものが二重に見える、片方の目が見えにくい。
5.パピプペポ・ラリルレロがはっきり言えない。
6.目の前が暗くなる。
7,ふらっとする、ふわっとする感じ
そういった症状が数分~数十分間続く。

●脳梗塞の治療(急性期)
○血栓溶解療法
「脳に行く血管」に血が詰まったら、すぐに溶かす治療。
脳梗塞になってから3時間以内でしか、できない治療なので、「脳梗塞の症状」を疑うような症状(片麻痺、 失語症、意識障害など)が出たら、すぐに病院に連れて行く。

○脳のダメージを少なくする治療(内科的治療)
△脳梗塞後に、脳の膨らみを少しでも抑えて、脳のダメージを抑える治療(点滴)。
△脳の循環を良くする治療(点滴)。
△脳の神経細胞を保護する治療(点滴)。

○外科的治療
△脳がむくんでいる間、一時的に頭蓋骨の一部を切ってはずす手術。
△動脈に詰まった血の固まりを取り除く手術。
△血液の不足した脳に対する血管のバイパス術。

●脳梗塞の治療(慢性期)
○内科的治療
1,血液をサラサラにする治療
2,原因となる病気の治療

○外科的治療
首の血管が狭い場合に、予防的にその部分を取る、もしくは広げる。
1,頸動脈内膜切除術
2,血管内手術

「脳梗塞」っていうのは、「脳に行く血管」が詰まる病気です。
そして、その結果、片麻痺、失語症、意識障害等の症状が出ます。

で、脳梗塞の急性期の治療は、「脳のダメージを少なくする事」が目的。
慢性期の治療は、「もう一度脳梗塞にならないようにする事」が目的になるって話でした。

先週までは、治療と言っても、薬とか点滴とか、手術とか、医師が行うものを紹介したんですが。

脳梗塞の治療(リハビリテーション)

今日は、もう一つ、すごーく大事な治療を紹介します。
その治療は、「リハビリテーション」です。
リハビリの処方箋は医師が出しますが。
リハビリを行うのは、患者本人です。
だから、本人のやる気がないと、全く出来ない治療です。
脳梗塞に限らず、脳出血、くも膜下出血等の脳卒中でも、同じようなリハビリをしますから。

厳密には、「脳梗塞」で解説するのは、ちょっと違うかなー、とも思うんですが。
脳梗塞の治療でもあるんで、ここで書いていきますね。

脳梗塞っていうのは、脳に行く血管が詰まって、脳細胞が死んでしまう病気です。
脳梗塞になって、一度死んでしまった脳細胞が生き返る、って事はありませんから。

脳梗塞の治療は、死んでしまう脳細胞を最小限に抑える(脳のダメージを抑える)ということになります。

じゃあ、脳細胞が死んでしまったら、機能は回復しないのか?
と、思いきや、実は違うんですよ、これが。

脳細胞そのものが、生き返ったり再生される事はないんですが。
替わりに他の脳細胞が頑張ってくれて、脳のネットワークが再構築されるので、機能が回復する事はあります。

脳卒中になると、片麻痺、失語症、意識障害等の症状が出ますが。

これらをそのまま何もしないで放っておくと、ずーっとその症状が続いてしまうことが多いんです。
そのままだと、家庭や職場に戻るのは難しいですよね。

だから、社会復帰するまでに、いろいろな訓練が必要なんです。
そういった訓練の事を「リハビリテーション」って言います。

訓練をしてあげる事によって、障害の程度を軽くする。
残された機能を最大限に引き上げて、家庭復帰や職場復帰をさせる。

これが、リハビリテーションの目的です。

脳卒中になると、手足が麻痺する場合があるんですが。
麻痺した手足は、そのまま放置しておくと固っちゃうんですよ。
医学用語でこれを「廃用症候群」って言います。

足が固まってしまったら当然、歩く事もできないです。
手が固まったら、手で物を持ったりとか、作業もできなくなるし、すごーく困りますよね。
だから、固まってしまう前にリハビリを始めたいんです。

最近の治療では、脳梗塞になって、早い場合は、次の日から。
そうでなくても、数日後から、リハビリを始めます。
もちろん、血圧が不安定とか、他の病気があって、動かすのはまずい、って時は別ですけどね。

なるべく早い段階でリハビリを始めるのが基本です。

でも、麻痺がある人に、最初から「歩け」って言ったって無理ですよね。

だから、通常はまず「ベッドサイド」でリハビリを行い、関節運動(関節可動域訓練)から始めます。

最初は、リハビリの先生(理学療法士、作業療法士)が、患者の手足を動かしたりします。
そいで徐々に体を動かしていって、車いすに乗せたり、立ち上がって貰ったり、っ感じでリハビリを進めていきます。

慢性期に入ったら、後遺症に対する積極的なリハビリテーションが中心となります。
歩行器を使って歩いて貰って、その後自力だけで歩行したり。
そんな感じでしょうかねー。

それ以外に、鉛筆で文字を書いたりとか、お箸で物をつまんだりとか、そういう作業の訓練。
物の飲み込みが悪い人は、嚥下の訓練。
言葉が上手にしゃべれない人は、言語の訓練とか。
そういったリハビリテーションもあります。

障害が軽い場合は、リハビリを行って、前とほとんど同じ位の状態まで戻る、という場合もあるんですけどね。
でも、重度の麻痺とか障害がある場合は、以前と同じ位の状態まで、っていうのは、実際は非常に難しいです。

平沼議員は、「軽い脳梗塞」ってニュースでは言っていたから。
多分、以前と同じくらいまで戻るとは思うんですが。

それでも、リハビリして復帰は3月って事ですから。
リハビリには、時間がかかるんですよ。
という事で、今週は脳梗塞(脳卒中)治療のリハビリテーションについてでした。

そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。

【今日のまとめ】

●脳梗塞の治療(リハビリテーション)
○脳卒中後のリハビリテーションの目的
△脳卒中の後、訓練をする事によって、障害の程度を軽くする。
△残された機能を最大限に引き上げ、社会復帰させる事。

○具体的なリハビリテーションの内容
△ベッドサイドでの関節運動(関節可動域訓練)。
△座位保持、自分で起きあがる訓練。
△自分で立ち上がる訓練。
△歩行器を使って歩行する訓練
△自力のみで歩行する訓練、等
△鉛筆で文字を書く、箸で物をつまむ等、作業の訓練。
△嚥下の訓練、言語の訓練等。