<本日のテーマ>くも膜下出血4

脳卒中シリーズの、「くも膜下出血」について。
まずは、前回までの復習。

●くも膜下出血とは

○「脳」は非常に大事な臓器なので、「3重の膜」で覆われている。

○そのうち、「くも膜」の下(内側、脳側)にたくさんある血管が傷んで切れて血が出る病気が、「くも膜下出血」。

○脳出血、脳梗塞に比べると、患者の数は少ないが、突然死する場合もある、非常に恐ろしい病気。

●くも膜下出血の種類と原因

○脳動脈瘤破裂
くも膜下出血の原因で最も多く、約75~90%。
脳の動脈にできた動脈瘤というコブ(脳動脈瘤)が破裂して起きる。

○脳動静脈奇形破裂
くも膜下出血の5~10%位。

○高血圧性脳内出血
くも膜下出血の原因の10%程度。

○その他
もやもや病、脳腫瘍、脊髄の動静脈奇形等の病気

●くも膜下出血の症状

○激しい頭痛
○吐気、嘔吐
○意識障害
○項部硬直
○眼底出血
○脳出血を伴う場合の症状
手足の麻痺、感覚の低下、ろれつが回らなかったり 言葉が出てこないといった言語障害などの症状。

「くも膜下出血」っていうのは、脳を保護する三重の膜の内の一つ、「くも膜」の下(内側、脳側)にたくさんある血管が傷んで切れて血が出る病気です。

その原因で最も多いのは、「脳動脈瘤破裂」で、頭痛や吐気、意識障害などの症状が出る、って話でした。

そいじゃあ、くも膜下出血かどうかって診断するために、どんな検査をするのか、って事で。
今日は、くも膜下出血の検査と診断についてです。

●くも膜下出血の検査と診断

○問診
問診っていうのは、患者にどういう症状があるかとか、そういう事を聞く、「診察の一種」です。
ま、医学用語ですね、これも。
「問う、診察」ですから、日本語そのまんま、ですけどね。

くも膜下出血の症状は、突然の頭痛、嘔吐、意識障害等ですから。
こういった症状がないかどうか、って事を質問されます。
これらの症状が一時的であっても、くも膜下出血の疑いが高いと判断されれば、より詳しい検査に進みます。

くも膜下出血っていうのは、脳の表面、くも膜の下にある血管が傷んで破れる病気なんですが。
この血管は、血圧が高いとやっぱり破れやすいんですよ。

高血圧ってのは、常に血管に高い圧力がかかってる状態ですから。

それに、糖尿病や高脂血症なんかの病気があったりしても、動脈硬化が進んで、血管がもろくなりますから。
やっぱり破れやすいんですよ。

だから、そういった病気がないかって事も、問診で聞かれますね、普通は。

それと、年齢とかそういうのも総合的に判断して、それより詳しい検査をするかって事を医者が決めます。
高血圧、糖尿病に関しては、これを読んで勉強してね!

★ 日本一わかりやすい!「高血圧」
http://www.muryoj.com/get.php?R=826&M=874
★『日本一わかりやすい!「糖尿病」』
http://www.muryoj.com/get.php?R=824&M=874

○頭部CTスキャン
ただの頭痛だけじゃなくって、意識障害を起こしていれば、くも膜下出血や脳出血が、かなり疑わしいですから。
すぐに頭のCT(コンピューター断層撮影)を撮ります。
頭の中を輪切りにして見る検査ですね。

○脳血管撮影
頭部CTで、くも膜下出血と診断されたら、その次に脳血管撮影が行われるのが一般的です。
頭のCTなら、やや大きめの病院でCTの機械がある病院なら、何科の医師でも、どの病院でもできますが。
この検査は、脳外科医がいて、更に血管造影のできる施設でないとできません。
足や手の動脈に針を刺して、チューブの様な物を入れて。
そこから頭に行く血管まで管を持っていって、そこから造影剤を流して、脳動脈瘤を直接見る検査です。
CTの他に、MRI(磁気共鳴血管造影法)って機械を使って動脈瘤を見る検査をする場合もあります。

○腰椎穿刺
くも膜下出血を起こすと「脳脊髄液」に血液が混じるんですよー。
脳とくも膜の間は、「脳脊髄液」って「無色透明」の液体で満たされているんですが。
「脳」と「脊髄」ってのはつながっているんですよ。
「脊髄」っていうのは、首、背中から腰の当たりにあります。
くも膜下出血が起きると、脳の表面(くも膜下腔)だけでなくって、脊髄の部分、背中や腰の当たりにある、脳脊髄液にも血が混じるんですよ、つながってますから。

そいで、それを見る為に、頭(脳)を刺すんじゃなくって、脊髄のある、「背中」というか、「腰」の当たりを針で刺します。
具体的には、脇腹を下にして、両足を曲げて横になった姿勢で背骨の腰の部分に針を刺して、「脳脊髄液」を何ccか取ります。
そいで、これに「血」が混じっていたら、「くも膜下出血」って診断します。

普通は、「無色透明」ですから、血は混じってませんから。
頭部CTで診断されるのは、90%なんですよね。

CTで診断がつけば、わざわざ痛い思いをして、針を刺す必要はないんですよ、リスクもあるし。
でも、CTでは診断できないけど、ちょっと怪しいぞ、って時に行われる検査です。

頭部CTで「くも膜下出血」と診断されるのは、90%なんですが。
医療訴訟の話を見ていると、なんかCTを撮れば助かったはずだ、とか、いい加減な事言ってますよね、検事や裁判官。

くも膜下出血を見逃して医療訴訟になったとか。
治療が悪くて訴訟を起こされたとか。
そういう例が今までにいくつかあるんですよ。
患者にとっても非常に怖い病気ですが。
私のような医者にとっても、別の意味で怖い病気です。

って事で、今週はくも膜下出血の検査と診断についてでした。

そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。

【今日のまとめ】

●くも膜下出血の検査と診断
○問診
○頭部CT、MRI
○脳血管撮影
○腰椎穿刺、等