●くも膜下出血とは

○「脳」は非常に大事な臓器なので、「3重の膜」で覆われている。
○そのうち、「くも膜」の下(内側、脳側)にたくさんある血管が傷んで切れて血が出る病気が、「くも膜下出血」。
○突然死する場合もある、非常に恐ろしい病気。

●くも膜下出血の種類と原因

○脳動脈瘤破裂
くも膜下出血の原因で最も多く、約75~90%。
脳の動脈にできた動脈瘤というコブ(脳動脈瘤)が破裂して起きる。
○脳動静脈奇形破裂
○高血圧性脳内出血
○その他
もやもや病、脳腫瘍、脊髄の動静脈奇形等の病気

●くも膜下出血の症状

○激しい頭痛
○吐気、嘔吐
○意識障害
○項部硬直
○眼底出血
○脳出血を伴う場合の症状
手足の麻痺、感覚の低下、ろれつが回らなかったり言葉が出てこないといった言語障害などの症状。

●くも膜下出血の検査と診断

○問診
○頭部CT、MRI
○脳血管撮影
○腰椎穿刺、等

●くも膜下出血の治療

□急性期の治療
▲外科手術
○開頭手術(クリッピング手術)
頭蓋骨の一部を取り除いて、脳を露出(開頭術)。
そして破裂した脳動脈瘤の根元を金属製のクリップではさんで、再出血を予防しする手術。
○血管内手術(コイル塞栓術)
細いプラチナ製のコイルを、脳動脈瘤の中に詰める手術。
脳動脈瘤内に血液が流れ込むのを遮断することで破裂を予防する。
脳の表面で、「くも膜」の下(内側、脳側)にある血管が、傷んで切れて血が出る病気が、くも膜下出血です。
その原因で最も多いのは、「脳動脈瘤破裂」で、頭痛や吐気、意識障害などの症状が出るんです。
そして、問診や頭のCTなんかをやって診断します。
で、急性期には、主に外科手術等の治療をする、って話でした。
今日は、前回に続いて、くも膜下出血の治療についてです。

●くも膜下出血の治療

○薬物療法
発作を起こした直後から2週間くらいの事を「急性期」と言います。
この時期の治療の基本は、脳外科で行われる「手術」なんですが。
「手術ができない場合」っていうのもあるんですよ。

どういう時かって言うと。
一つは、「患者の状態が悪すぎる場合」です。
言い方悪いですけど、手術をしてもしなくても、助かる可能性が非常に低いような、超重症の場合です。
手術っていうのは、全身麻酔をして頭を切り開いたり、開頭手術じゃなくても、多少は体に負担はかかります。
手術をした方が助かる可能性が高い、って言うなら、当然、手術をやる価値はありますが。

手術をやってもやらなくても、ほとんど一緒。
もしやれば、負担がかかるだけ、むしろ大変。
って事になれば、やらないんですよ。

具体的には、瞳孔が開いていたり、呼吸が不規則、あるいは弱いといった重症患者の場合や、手術をしても、重い後遺症が残ると予想される場合なんかです。
そういう場合には、点滴による治療と、絶対安静による保存療法(非手術的治療)が行われます。
その後、症状の経過が観察されることになるんですけど。
少し時間が経って、思ったより状態が良い。

これだったら、手術をすれば良くなるかも。
って事になれば、その後に手術をする場合もあります。
また、手術する事が難しい部位が出血しているケースでも、薬物療法を行います。
薬物療法ってのは、名前の通り薬を使う治療なんですが。
薬で血圧を下げたり、脳圧を下げる治療をします。
その他、「脳動静脈奇形」の場合で、手術ができない時は、ガンマナイフ(定位的放射線照射)を用いた放射線治療や塞栓術が行われる事もあります。
ガンマナイフってのは、放射線の一種のガンマ線を奇形部分に集中的に当てて、異常血管を閉塞する方法です。
塞栓術っていうのは、異常血管網に血液を送り込んでいる動脈にカテーテルという細い管を挿入し、固まりやすい糊みたいやつを注入して、血管をふさいでしまう方法です。

□くも膜下出血、慢性期の治療
前回も言いましたが、くも膜下出血では、手術の後が大変なんです。
出血した数日後に、また出血する事もあるし。
出血後2週間位は、脳の動脈瘤が収縮(脳血管攣縮)して脳に血液が流れにくくなったり(ひどい場合は脳梗塞)、する事もあるんですよ。
だから、くも膜下出血の場合は、発症してから2~3週間はホントに治療も大変で。
1カ月位したところでやっと一段落って感じになります。
出血の後一ヶ月くらいたつと、「水頭症」っていう病気(合併症)になる事があります。
くも膜下出血により、脳で作られる水(髄液)の流れや吸収が障害されて,脳室という部分や脳の外側に髄液がいっぱい貯まって、水頭症という状態になるんです。
水頭症になると、物が覚えられなくなったり、歩きずらくなったり、尿失禁をしたり、って症状がでます。
そうなった場合、脳室と腹部を管でつないで脳脊髄液を送り出し、脳室に髄液がたまらないようにする手術(脳室・腹腔シャント)って手術をして治療する事が一般的です。
くも膜下出血は、血圧が高いと、また起こりやすいので、薬を使って、血圧を下げる治療もします。
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って事で、今週も、くも膜下出血の治療についてでした。

なんか、細かく治療の事を説明するとマニアックになるので(笑)これ以上、深入りしない事にしますか。

そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。

【今日のまとめ】

●くも膜下出血の治療2
○薬物療法
薬を使って血圧を下げたり、脳圧を下げる治療。
慢性期や、急性期でも、患者の状態が悪すぎる場合や手術する事が難しい部位が出血している場合行う。
○放射線治療、塞栓術
「脳動静脈奇形」の場合で、手術ができない時に行う事もある。
□くも膜下出血、慢性期の治療
水頭症になったら、脳室・腹腔シャントという手術をする。
薬を使って、血圧を下げる治療も行う。