<本日のテーマ>くも膜下出血8

脳卒中シリーズの、「くも膜下出血」について。
まずは、前回までの復習。

●くも膜下出血とは

○「脳」は非常に大事な臓器なので、「3重の膜」で覆われている。
○そのうち、「くも膜」の下(内側、脳側)にたくさんある血管が傷んで切れて血が出る病気が、「くも膜下出血」。
○脳出血、脳梗塞に比べると、患者の数は少ないが、突然死する場合もある、非常に恐ろしい病気。

●くも膜下出血の種類と原因

○脳動脈瘤破裂
くも膜下出血の原因で最も多く、約75~90%。
脳の動脈にできた動脈瘤というコブ(脳動脈瘤)が破裂して起きる。
○脳動静脈奇形破裂:くも膜下出血の5~10%位。
○高血圧性脳内出血:くも膜下出血の原因の10%程度。
○その他:もやもや病、脳腫瘍、脊髄の動静脈奇形等の病気

●くも膜下出血の症状

○激しい頭痛、吐気、嘔吐
○意識障害、項部硬直、眼底出血
○脳出血を伴う場合の症状
手足の麻痺、感覚の低下、ろれつが回らなかったり言葉が出てこないといった言語障害などの症状。

●くも膜下出血の検査と診断

○問診、頭部CT、MRI
○脳血管撮影、腰椎穿刺、等

●くも膜下出血の治療

▲外科手術
○開頭手術(クリッピング手術)
頭蓋骨の一部を取り除いて、脳を露出(開頭術)。
そして破裂した脳動脈瘤の根元を金属製のクリップではさんで、再出血を予防しする手術
○血管内手術(コイル塞栓術)
細いプラチナ製のコイルを、脳動脈瘤の中に詰める手術。
脳動脈瘤内に血液が流れ込むのを遮断することで破裂を予防する。
▲薬物療法
▲放射線治療、塞栓術
□くも膜下出血、慢性期の治療
水頭症になったら、脳室・腹腔シャントという手術をする。
薬を使って、血圧を下げる治療も行う。

●くも膜下出血の予防

○高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病を予防する。
タバコを吸わない、止める。

●くも膜下出血を早く見つける為に脳ドックを受ける。

特にお年を召された方、家族でくも膜下出血になった人がいる方。
脳の表面で、「くも膜」の下(内側、脳側)にある血管が、傷んで切れて血が出る病気が、くも膜下出血です。
その原因で最も多いのは、「脳動脈瘤破裂」で、頭痛や吐気、意識障害などの症状が出るんです。

そして、問診や頭のCTなんかをやって診断します。
で、急性期には、主に外科手術等の治療をする。
手術ができない場合には、薬物療法等もする。
予防の為には、くも膜下出血の原因となっている生活習慣病を予防し、タバコも止める、って話でした。

そいで今日は、くも膜下出血の予防の続きです。
前回、くも膜下出血の原因で最も多いのが、「脳動脈瘤」。
それが破裂して、くも膜下出血になる前に見つけるために、「脳ドック」を受けた方が良いよ、って話でしたが。
今回は、脳ドックを受けて、「脳動脈瘤」が見つかっちゃった人に対する、予防的治療等についてです。

●くも膜下出血の予防的手術

「脳動脈瘤」ってのは、脳に行く動脈がこぶ(瘤)になって、大きくなって破裂し易い状態の事なんで。
そのまま放っておくと、破裂してしまう可能性もあります。
まだ破裂していない動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)が一年間に破裂する確率は1~2%といわれています。
これを確率が高いとみるか、低いとみるかは、人それぞれなんですけどね。
真ん中取って、一年で破裂する確率が1.5%だとすると。
おおざっぱに、10年で15%、40年で60%ですかね。
40歳で脳動脈瘤が見つかって、平均寿命が80歳として、約6割の方が、破裂するって事になりますか。
脳動脈瘤が破裂して、くも膜下出血になると、そのうちの何割かは突然死しますから。

結構な確率だと思いませんか?
確率や統計に詳しい方ならわかると思いますが。
実際は、40年間、ずーっと破裂しないって確率なので、40年間破裂しない確率は100ー60=40%ではなくって、もっと、ずーっと少ないんですよね、実は。
だから、脳ドックで「未破裂脳動脈瘤」が見つかった場合は、基本的に手術をする事が多いです。

もちろん、そういったリスクを患者にきちんと説明して、って話ですけどね。
それと、同じ未破裂脳動脈瘤でも、大きさによって破裂する確率は違うんですよ、当然。

ものすごーく大きくなって、ぱんぱんになった風船が破裂する確率と、まだそんなに大きくなってない風船が破裂する確率が違うのと同じようにね。
風船と同じように、脳動脈瘤が破裂する確率も、動脈瘤が大きければ大きいほど高くなります。
具体的には、5mm以上だと破裂の確率が高いので、手術をした方が良いって言われています。

手術の内容は、くも膜下出血の治療で書いた手術と同じ。
開頭手術(クリッピング手術)と、血管内手術(コイル塞栓術)になります。
それぞれの手術に関しては、このサイトに詳しく書いてますよ!

http://neurosurgery.med.u-tokai.ac.jp/edemiru/kumomakka/chiryou.html
http://www.brainaneurysm.jp/treatment.html

●くも膜下出血の前兆症状

▲未破裂脳動脈瘤の症状
脳動脈瘤が破裂するまで、患者さんの多くは全く症状がないんです。
でも、未破裂脳動脈瘤を持っている患者の約40%は、こういった症状を経験することがあるんですよ。
○視野の辺縁が見えにくい
○物事を考えることに困難を感じる
○知覚の異常
○突然の行動変化
○平衡感覚や協調運動(手足を上下に動かすこと)の不調
○集中力が減少する
○最近の事を記憶することが難しくなる
○疲労や倦怠感が強くなる

こんな症状があるようであれば、「未破裂脳動脈瘤」を持っている可能性がありますから。
早めに脳外科に行って、MRIをやってもらったら良いですよ。
って事で、今週はくも膜下出血の予防の続きでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。

【今日のまとめ】

●くも膜下出血の予防的手術
頭のMRIをやって、「未破裂脳動脈瘤」が見つかった場合行う。
具体的には、くも膜下出血の手術と同じ。
○開頭手術(クリッピング手術)
○血管内手術(コイル塞栓術)
●くも膜下出血の前兆症状
○視野の辺縁が見えにくい
○物事を考えることに困難を感じる
○知覚の異常
○突然の行動変化
○平衡感覚や協調運動(手足を上下に動かすこと)の不調
○集中力が減少する
○最近の事を記憶することが難しくなる
○疲労や倦怠感が強くなる