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  ◆ やぶ医師のひとりごと         第 77 号  ◆
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 H19年6月22日発行 購読者数 10681名
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ブログ: http://kenkoubyoukinashi.blog36.fc2.com/
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  <本日のテーマ>    閉塞性動脈硬化症4
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「閉塞性動脈硬化症(ASO)」について。
まずは、前回までの復習
●閉塞性動脈硬化症(ASO:エーエスオー)とは
 動脈硬化が進んで、足の動脈が狭くなったり、
 ふさがったりする。
 その結果、足がいつも冷たかったり、しびれたり。
 歩くとふくらはぎの筋肉が痛くなるなどの
 症状が出る病気。
●閉塞性動脈硬化症で細くなる動脈
 ○総腸骨動脈:ふとももの付け根
 
 ○膝窩動脈:膝の裏側
 ○足背動脈:足の甲の真ん中付近
 ○後脛骨動脈:くるぶしの下
これらの動脈は、自分で触れることができる。
脈の触れが弱ければ、閉塞性動脈硬化症の可能性もある。
●閉塞性動脈硬化症の症状 (Fontaine分類)
 ○I度:「しびれ・冷感」
 ○II度:「間歇性跛行」
 ○III度:「安静時痛」
 ○IV度 :「潰瘍、壊死」
閉塞性動脈硬化症(ASO:エーエスオー)って病気は、
足の動脈が狭くなったり、詰まったりする病気です。
そして、重症になるにつれて、しびれ・冷感などの症状や、
歩くと足の筋肉が痛くなったり、安静時でも足が痛くなったり、
足に潰瘍ができたり、腐ったりする、って話でした。
そいじゃあ、今日はこういう症状が出て、
閉塞性動脈硬化症(ASO)を疑ったら、どんな検査をするの?
って事で、閉塞性動脈硬化症(ASO)の検査についてです。
●閉塞性動脈硬化症(ASO)の検査
病院に患者が来たら、医者はまず、患者の話を聞きます。
当然、世間話をしている訳ではなくって。
どんな症状が、いつ、どのくらい、とか。
そんな感じの問いかけをして、具体的な症状を聞きます。
これを、医学用語で「問診(もんしん)」って言います。
「問う診断」だから、「問診」。
まあ、言葉どおりですね。
これは、どの病気に関しても、「最も大事な検査」になります。
たまーに、話は聞いて貰ったけど、
病院で何も検査されずに家に返された。
とか、言う人もいますけど。
いちばん大事な、「問診」はしていますから、必ず。
具体的な話を聞いて、それ以上の検査は今のところ
必要ないな、って判断したから、返しているだけですから。
そこらへんは、勘違いしないで下さいね!
話は元に戻って。
足が痛い、しびれる、冷たい。
って事で、患者が病院に来たら。
医者は閉塞性動脈硬化症の事も頭に入れて、
医者はまず、問診します。
それで、閉塞性動脈硬化症が疑われたら、更なる検査を行います。
●閉塞性動脈硬化症の検査
1,問診
上でも書きましたが、患者の話を聞く事です。
2,動脈拍動触診(足背動脈)
閉塞性動脈硬化症2で書いた事ですが。
総腸骨動脈(ふとももの付け根)、膝窩動脈(膝の裏側)、
足背動脈(足の甲の真ん中付近)、後脛骨動脈(くるぶしの下)
というのは、自分で拍動を触れる事ができるんですよ。
「自分」で触れる事ができる、って事は、
「医者」も触れる事はできるんですよー。
ま、当たり前なんですけどね。
その中でも、足背動脈背動脈(足の甲の動脈)を
最初に触る事が多いです。
そいで、脈がきちんと触れるか、弱いか、
って事を確かめます。
触れが弱かったら、閉塞性動脈硬化症の可能性が高いな、
って事で、更に検査をします。
足背動脈っていうのは、何割かの人は閉塞性動脈硬化症
じゃなくても触れない人がいるので。
触れなかったとか、触れが弱い場合は、
後脛骨動脈(くるぶしの下)を触れます。
後脛骨動脈でも触れなかったり、触れが弱い場合は、
閉塞性動脈硬化症の可能性が高いですね。
脈がふれない場合は超音波ドップラー検査を使って、
手や足の血液の流れる音を確認する事もあります。
3,上下肢(手足)の血圧測定
上肢っていうのは、「手」。
下肢っていうのは、「足」の医学用語です。
上肢(手)と下肢(足)の血圧を同時に測定して
血管が狭いのか、詰まっているのかって事を評価します。
ABI (Ankle Brachial Pressure Index)
=足関節部最高血圧/上腕動脈最高血圧
正常ABIは1.0以上です。
簡単に言うと、正常であれば、
足の血圧は手の血圧より高いって事です。
動脈硬化っていうのは、全身の血管で進むんですけど。
手よりも、足の血管の方が進みが早いんですよ、普通。
そいで、足の動脈の血管が細くて、症状が出る病気を
閉塞性動脈硬化症って言います。
足の血圧の方が手の血圧よりも低い、って事は、
足の血管が細い可能性が高いですから。
そうなると、閉塞性動脈硬化症の疑いって事になります。
厳密に言うと、ただ足の血圧の方が低い、ってだけでなく、
ABIが0.9以下の場合、閉塞性動脈硬化症の疑い
って事になります。
ABIが0.8以上では症状がないと言われています。
また、ABIが0.6位になると、動いた時に足の筋肉が痛くなる
「間歇性跛行」という症状が出る場合が多いです。
4,CT・MRI(MRA)
1~3までの検査を行って、足の血管が狭そうだ。
具体的には、ABIが0.8以下とか0.6以下とか、低い場合。
閉塞性動脈硬化症が強く疑われますので。
更にまた、検査を行います。
どんな検査かっていうと、脳卒中の時にも出た、
CTやMRI(MRA)といった検査です。
脳卒中の時には、頭(脳)に行く血管を見るために
行ったのですが。
足の血管を見る時にもCTやMRI(MRA)って検査は使われます。
http://www.gik.gr.jp/~skj/aso/aso.php3
参照:札幌厚生病院循環器科:閉塞性動脈硬化症
このページの真ん中、右にあるような写真がそうです。
5,血管造影検査
CTやMRI(MRA)を行って、やっぱり足の血管が狭い。
ってわかったら、最終的に行う検査です。
足の血管を「直接」刺して、そこから造影剤を流して、
どの血管のどの部分が、どの位狭いか。
って事を正確に把握して、治療方針を決定するために行います。
たいてい、入院してやる検査なのですが。
病院によっては、日帰りで行っている所もあります。
足の血管が細くなる原因の「動脈硬化」。
その動脈硬化の一番の原因は、加齢。
それ以外にも、高血圧や糖尿病、高脂血症といった病気や、
タバコを吸ったりしても、動脈硬化は進むんでしたね。
一番大事なのは、閉塞性動脈硬化症(ASO)にならない事ですよ♪
その為には、これを読んで生活習慣病を予防してね!
 ★ 日本一わかりやすい!「高血圧」
 http://www.muryoj.com/get.php?R=826&M=874
 ★『日本一わかりやすい!「糖尿病」』
 http://www.muryoj.com/get.php?R=824&M=874
って事で、今日は閉塞性動脈硬化症の検査についてでした。
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。
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【今日のまとめ】
●閉塞性動脈硬化症の検査
 1,問診
 2,動脈拍動触診(足背動脈)
 3,上肢(手)下肢(足)の血圧測定
 4,CT・MRI(MRA)
 5,血管造影検査
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