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  ◆ やぶ医師のひとりごと         第 79 号  ◆
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 H19年7月6日発行 購読者数 10535名
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  <本日のテーマ>    閉塞性動脈硬化症6
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「閉塞性動脈硬化症(ASO)」について。
まずは、前回までの復習
●閉塞性動脈硬化症(ASO:エーエスオー)とは
 動脈硬化が進んで、足の動脈が狭くなったり、
 ふさがったりする。
 その結果、足がいつも冷たかったり、しびれたり。
 歩くとふくらはぎの筋肉が痛くなるなどの
 症状が出る病気。
●閉塞性動脈硬化症で細くなる動脈
 ○総腸骨動脈:ふとももの付け根
 
 ○膝窩動脈:膝の裏側
 ○足背動脈:足の甲の真ん中付近
 ○後脛骨動脈:くるぶしの下
これらの動脈は、自分で触れることができる。
脈の触れが弱ければ、閉塞性動脈硬化症の可能性もある。
●閉塞性動脈硬化症の症状 (Fontaine分類)
 ○I度:「しびれ・冷感」
 ○II度:「間歇性跛行」
 ○III度:「安静時痛」
 ○IV度 :「潰瘍、壊死」
●閉塞性動脈硬化症の検査
 1,問診
 2,動脈拍動触診(足背動脈)
 3,上肢(手)下肢(足)の血圧測定
 4,CT・MRI(MRA)
 5,血管造影検査、等
●閉塞性動脈硬化症(ASO)の治療
1:薬物療法
2:非観血的血行再建術
 血管拡張術・経皮的血管形成術、ステント治療
3:手術
 1)血行再建術
  a) 血栓内膜除去術
  b)動脈形成術
  c)バイパス手術
 2)交感神経切除術
閉塞性動脈硬化症(ASO:エーエスオー)って病気は、
足の動脈が狭くなったり、詰まったりして
しびれ・冷感、足の痛みなんかの症状が出る病気です。
そして、CT、血管造影等の検査をして診断して、
治療には、薬物治療、血管内手術や手術がある、って話でした。
そいじゃあ、今日はどんな人が閉塞性動脈硬化症になりやすいの?
閉塞性動脈硬化症になったら、どんな病気になりやすいの?
って事で、閉塞性動脈硬化症(ASO)の危険因子と合併症についてです。
●閉塞性動脈硬化症(ASO)の危険因子
「危険因子」って、英語で言うと、
「リスクファクター」って言葉になるんですよ。
英語で言うと、余計わかりにくいか(笑)
ま、どっちも医学用語なんですけど。
簡単に言うと、こういう事やっていると、とか、
こういう病気があると、この病気にもなりやすいよ。
って事ですね、「危険因子」って言うのは。
ぐちゃぐちゃ説明するより、実際の例を挙げた方が
わかりやすいと思うので。
具体的に、閉塞性動脈硬化症(ASO)の危険因子を
挙げてみましょうか。
●閉塞性動脈硬化症(ASO)の危険因子
 ○高血圧
 ○糖尿病
 ○高脂血症(脂質異常症)
 ○高尿酸血症
 ○喫煙
 ○肥満
上4つは、今までにメルマガでも取り上げてきた、
いわゆる生活習慣病ですね。
こういう病気があると、動脈硬化が進むって事は、
何回も言ってきましたよね。
高脂血症は、最近脂質異常症って名前が変わりましたけど。
そして、喫煙。
タバコも動脈硬化を進める、って話も良く出てきますよね。
更に、肥満。
「メタボリックシンドローム」って言葉、
去年有名になったもんね。
内臓脂肪が多いと、動脈硬化が進むって説が
最近は有力になってきていますからね。
こういう病気や行為、状態(危険因子)があると、
閉塞性動脈硬化症になりやすくなっちゃいます。
これらの病気について、詳しく知りたい人は、これを読んでね!
 ★ 日本一わかりやすい!「高血圧」
 http://www.muryoj.com/get.php?R=826&M=874
 ★ 日本一わかりやすい!「糖尿病」
 http://www.muryoj.com/get.php?R=824&M=874
●閉塞性動脈硬化症(ASO)の合併症
閉塞性動脈硬化症の第一回、「閉塞性動脈硬化症とは」
でも書いた事なんですけどね。
動脈硬化っていうのは「全身の血管」に起こるんですよ。
閉塞性動脈硬化症(ASO)っていうのは、
「足」というか、お腹から太股の付け根~真ん中辺りの動脈が
狭くなったり詰まったりする病気の事なんですけど。
基本的に、足の血管が細くなる人は、
心臓の血管や頭(脳)に行く血管も細い可能性が高いんです。
合併症っていうのは、この病気が元で、
その他の病気にもなっちゃう病気の事なんですけど。
元の病気が進んでなる病気、って場合と、
それとは別に、なっちゃう病気ってのと、両方ありますかね。
閉塞性動脈硬化症(ASO)の場合は、具体的には
 ○虚血性心疾患
わかりにくい名前ですけど。
もうちょっとわかりやすい他の病気の名前で言うと、
「狭心症」とか、「心筋梗塞」、って病気です。
狭心症と心筋梗塞を合わせて、虚血性心疾患って言います。
これは、心臓の表面を走っていて、心臓に血液(酸素や栄養)を
送っている血管(冠動脈)が細くなったり詰まったりする病気です。
冠動脈が細くなって、運動したりすると
胸が痛くなる病気の事を、「狭心症」。
冠動脈が詰まって、胸が痛くなる病気の事を
「心筋梗塞」って言います。
 ○脳梗塞
ついこの間、脳卒中についてやっていたから。
覚えている人も多いと思いますけど。
頭(脳)に行く血管が詰まって、麻痺が出たり
ろれつが回らなくなったりする病気です。
足の血管が細くなって、「直接」心筋梗塞や脳梗塞
って病気になるわけではないんですけれど。
足の血管が細くなる、って事は、「同時に」
心臓や頭に行く血管も細くなる事が多いんですよー。
だから、こういうのも、「合併症」って言います。
心筋梗塞や脳梗塞になったら、下手したら死んじゃいますからね。
足の血管が細いだけ、なんて甘く見ていたら、
大変な事になりますよー!
だから、閉塞性動脈硬化症(ASO)がある人は、
要注意なんですよ!
そいじゃあ、今日はここまで。
いつものように、下にまとめを書いておきます。
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【今日のまとめ】
●閉塞性動脈硬化症(ASO)の危険因子
 ○高血圧
 ○糖尿病
 ○高脂血症(脂質異常症)
 ○高尿酸血症
 ○喫煙
 ○肥満
●閉塞性動脈硬化症(ASO)の合併症
 ○虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
 ○脳梗塞、等
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